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 黒い鏡の先は大きな部屋だった。最初に俺とローワイヤさんが招かれた部屋はそれこそまあ……ギリ個人でも使うかなって感じだったが、ここは明らかに広い。数十人は余裕くらいのスペースがある。しかも……だ。


「なんだぁ!! ここは! ――おっと、すいやせん」


 不用意に口を開くなっていってたが、我慢できなかったやつが出るほどだ。でもそれも仕方ないと思う。なにせ、この部屋には夜空があった。キラキラした夜空が広がってる。外ってわけではないようだけど、上を見ると輝く星が見える。

 風が入って来てるわけじゃないから、多分天上を透過させてるんだろう。壁には高そうな絵や、よくわからない物が掛かってる。テーブルは真っ白で、かなり大きい。俺達が全員囲んで座れるくらいはある。

 アクセントで、等間隔に花が……いや、花に見えたそれはなんか装花みたいだった。しかも微妙に光ってる。オシャレ感を出してきてるな。椅子も全部豪華なやつが用意されてる。でも流石にペニーニャイアンの奴は別格だ。そして多分だけど、ローワイヤさん様の奴も豪華になってる。

 やっばり神託の巫女だから、そこらへんで区別してるんだろう。でも同じテーブルを囲もうとしてるってのが異例ではないだろうか? だってピローネの態度からも見て取れるが、この中央の偉い奴らは、下の人間を人間と見てない感じがある。

 そんなこいつらが同じテーブルを囲むことを許してるっていうのがね……なにが狙いなのか怖い所だ。


「ようこそ皆さん。私がこの館の主、ペニーニャイアン・イルエスタです」


 そう言って静かに微笑む彼女に荒くれ者共の賞金稼ぎ達の顔が赤くなる。


「こここ、こちらこひょ! こんな場におおおまねきいたたたたぎ――」


 余計な事は喋るなと言っておいたのに、興奮のせいか、口から言葉が出てるが、出てない。気分を概してないかハラハラするが、ペニーニャイアンは相変わらず人の良さそうな笑みを浮かべてる。


「おい、なんか良さそうな人じゃないか?」


 賞金稼ぎの一人がこっそりとそんな耳打ちをしてくる。警戒心を解かせようって目的か。確かにこの人達には有効だろうが、流石に俺はこんなので騙されないぞ。俺は実際に、彼女から攻撃を受けたわけだしな。実際彼女がやったか……なんてのは確証はないが、でもこの建物を操れる彼女が一番可能性高い。

 だからペニーニャイアンが俺達を排除しようとしてるのは確定してる。


「外面だけでの判断は危険だと思いますよ」


 俺はとりあえずそんな風にやんわり言っておく。どのみち、俺次第な所あるし……寧ろ周囲の奴らは案外油断してたほうが、ペニーニャイアンも尻尾を見せるかも? っていう算段がある。腹の探り合いは得意じゃないからな。


 しかもいつまでもどこから何をされるかわからないと、こっちの神経が削られる。俺自体は大丈夫で、その自信もある。でも、周囲を完璧に守るとなると、気が抜けない。


「どうぞ、皆様を歓迎するための料理を用意したんです。お席についてください」


 そう言われて俺達は各々、席につく。もちろんみんな一つ特別な椅子があるのはわかってたから、それには座らない。それにはもちろんローワイヤさんが座った。何か仕掛けが有るんじゃ? と思ったが、今の所は何も起きてはない。

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