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「いやーよかったよかった。二人ともちゃんと見つけられてよかったよ」

『……』

「全く、本当に二人には困っちゃうよね。前の世界で最強だからなんだが知らないけど、世界が変わると強さの基準も変わっちゃうって事を知ってほしいよ」

 

 私はそう言って肩をすくめる。相変わらず誰も何もいってくれない。


「もう、聞いてるの? 私は二人の事が心配だらか心を鬼にして言ってるんだからね? 二人は確かに元の世界では強かったのかもしれない。でもここは未知の世界だから二人が知らないことなんかいっぱいあるんだよ」


 私は説教モードに入ってる。なにせ心配させたんだからこのくらいはいってもいいと思うんだ。グチグチと私は言うよ。それに反論する声はない。そんな事をやってると、ようやくAIが口を開いてきた。


『もう良いのではないですか?』

「何がよ?」

『お二方とも、聞いてなんていませんよ』

「……わかってるわよ。そんなこと」


 私はすねたような声を出す。そして手のひらに置いた二人を見る。二人は寝かせてある。私の手のひらは大きいが硬いからね。勿論G-01のほうだけど。私自身の肉体は驚くほどにぷにぷにである。


 一応丁重に扱ってここまで戻ってきたからね。だから両手で包むようにして戻ってきた。二人を回収したのはいいが、問題は山積みだ。まず……魔王と勇者は敵に、この場合はアビスにきっとやられたんだと思う。


 大口たたいてた割は二人ともあっさり負けちゃって……とか思う。アビスが放置してくれたからよかったが、その気になれば、この状態の二人なんて簡単に粉々にできただろう。そうなってたら、もう見つける事なんか無理だっただろう。なにせ粉々になってたらこの足下に薄い靄みたいなのかかってるから、見づらいし。


 人型の何かがあったから、気付いたんだ。今、二人は私の両手の上に寝そべってるが、その体は全然リラックスしてはない。カチコチに固まってて、無造作に置いたフィギアみたいになってる。


 まあ要するに……


「なんで石化してるわけ?」

『アビスのせいでしょう』


 それはわかる。わかるけど、そんな強く無かったよね? 私が光ってたらなんか勝手に倒れてたけど? そんな奴らに魔王と勇者が負けるとは……嘆かわしいね。


「それでアビス達がいっぱい倒れてるここまで持ってきたけど、どうするわけ? 直せるのこれ?」


 一体くらい残ってる奴がいればよかったんだけど、探すと見つかられないのがアビスだった。いや、居る気はするんだけどね。なんか私が光りそうになるとさっと散っていく。なら物理で、と思ってもアビスを捕まえる事は出来ない。なんか深淵に溶けてるんだよねあいつら。


 本気出せばいけそうだけど、面倒くさい。だからまずは自分たちでなんとか出来ないかとここまで戻ってきた。


『アビスを調べて見てください』

「うげー」


 アビスはまじまじと見てたい物じゃないんだけど……仕方ない、これは二人への大きな貸しにしておこう。そう思って私は二人を丁寧に地面に置いてアビスの一体を持ち上げた。うげうげ、もちもちしてるよ!

次が最新話です。正午に上げます。それからは一日一話ずつあげていきます。

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