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「そんなはずがないと言われても……」

「この!」


 再び針を投げてくる刺客たち。いくら投げつけられても意味なんてないから俺はそれを受けつつあるき出した。


「馬鹿な! 馬鹿な!! 馬鹿なあああああああ!!」


 とうとう腕が届きそうになるくらいまで近づいたら、そいつは腕をくるっと回したかと思ったら、さっきまでの数センチしかない針ではなく、数十cmはあろうかという、大きな針を握りしめてた。


(手品?)

 

 そう思うくらいの早業だった。まあ仕込んでんたろうが……真っ直ぐに拳を向けてくる刺客の一人。焦ってるとはいえ、その拳は速い。間違いなくそういう訓練を受けてきた体をしてるんだろう。まあけど、俺にとっては止まってるかのような物だ。俺は残像を残してそいつとすれ違う。まあそいつにはまだ残像しか見えてなくて、俺が真横にいるのは気づいてもいない。だから俺は頭を叩くと同時に力をわずかにながして昏倒させる。


「なに!? いつの間に!!」


 他の奴らがそんな事を言ってる。どうやら他の奴らも俺の動きは見えなかったらしい。まあそんな仮面つけてたら無理もない。なにせ別に視界を確保するための穴とかないからな。どうやって見てるのか謎だ。多分魔法的な何かだとは思う。それかこの仮面事態に種がある? そう思って興味本位で昏倒したやつから仮面を取る……取る?


「取れない?」


 なんか引っ張っても取れないぞ。それどころか、仮面の端を持って持ち上げると、頭がくっついてくる。


(えっと……これって……顔なのか?)


 仮面だと思ってた物、それはもしかしたら顔だったんじゃないかっていう疑惑が出てきた。いやいや、流石にそれはない……と思うけど……何かこの仮面がめっちゃ特殊で特殊な手順を踏まないと取れない代物なんだ……そうなんだ。無理矢理そう思うことにした。とりあえずこいつはもう放置だ。後で仮面の謎は解明しよう。


「さて、次は誰がこうなる?」


 丁度いいからつまんだ仮面を引き上げてそれに釣られてプランとする仲間を見せつけてやる。どうだ? なかなか異常性がある光景じゃないか? そう思ってると、この場にいる残り三人の内、一人が逃走を図った。なるほどそう来るか。いや、考えてたけどな。そして残った二人が臨戦態勢を取る――けどその瞬間には俺の姿は奴らから消えていた。


「「なに!?」」

「――ぐふ」


 奴らの驚愕と、一人の失神が同時だった。ゴトンとその場に崩れ落ちる音で前を向いてた二人が後ろを振返る。するとそこには崩れ落ちた仲間と俺の姿がある。


「バカな……」


 仮面のせいで表情はわからない。わからないが……相当な恐怖を俺に抱いてるのは感じる。そろそろ降参する方が見のためだと思うけど……どう出る?

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