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 宵になる前に、勇者には私がズンジャイサンバから連れてきた人を宮殿へと持って行って貰う。そして同時に、ラパンさんにズンジャイサンバの現状を報告して貰うよ。勇者が話しがあると言えば、最優先で話しを聞いてくれる位には勇者は信頼されてる。まあ信頼されてる――というか、厄介事を持ってくると思われてると思う。だから無視なんて出来ない。ほらほら、最近色々とあったせいで、ラパンさんはそれこそ宵の直前まで色々とお仕事をやってるようだ。


 そんな所に勇者が突撃していく。そして十分くらいで説明したのか、ラパンさんが頭を抱える。でも今から色々と重要な連中を集めるなんて出来ないからね。とりあえず勇者には退場を願ってる。


「よく考えたら、この世界ってある意味で健康的だよね」


 なにせ徹夜なんて事は絶対にできないのだ。世界は強制的に人々を眠らせてる。それで色々と世界を調整してるとしってるけど、絶対に寝れるんだから強制的だよね。しかも実は最近知ったけど、どうやらこの世界、どんな病気や、怪我だって日を跨げば結構どうにかなるらしい。それは今までの記録でもそうなんだけど……私が観察した結果、宵にはどんな状態であっても、体力……というか、この場合は生命力かな? それが百パーセント戻るみたいだ。

 それはどんな風前の灯火の命だってそうなんだ。だからどんなに虫の息でもなんとか宵に入って、次の日になると、体力MAXということだ。宵の間に死ぬ……なんて事はない。寧ろ宵の間に元気になる。だからどんな重傷者でも宵を超えれば、息ながられる可能性が高まる。どんな理不尽な状態でも生命力がMAX回復するんだからね。勿論それは体が元通りになる訳じゃない。なる訳じゃないのに、生命力は回復するからね。

 これが理不尽ではなくてなんなのか。ちなみにそれは私達には適応される事ない。まあそもそも私や勇者や魔王、それにポニ子は宵の間に強制的に眠くならないからね。だから幾らラパンさんが仕事に悩殺されそうだとしても、昼間に倒れる……なんて事はきっと無い。これはこれからも問題を報告し続けても全然大丈夫って事だろう。


『精神はすり減るのでは?』

「でも体が健康なら、案外大丈夫な筈じゃん。寝て起きたら強制回復してるんだよ? 全然大丈夫だよ!」


 私は心配げな事を言うAIにそう返す。そして勇者がコッチに戻ってくる間に宵は始まる。世界は闇に包まれて、そして人々は強制的に眠りにつく。街の外は危ないから中に入ってその様子を今日も眺める。街の外は凄い事になってる。でもこの世界の人達はこれをしらない……いや、協会の連中は知ってるのか。動いてたしね。あいつだけが動ける術を知ってる……なんて事はきっとなくて、協会はきって宵に薄ら暗い事をやってる奴らだ。宵には生命力が回復するって言ったが、外的要因でゼロにされればそれは死ぬからね。それこそ宵の内に頭を潰すとしてれば、死ぬ事になる。

 宵はあくまで生命力を回復させてるだけ。この世界の人達を修復してる訳じゃない。だからこそ協会の暗躍はこの世界でめっちゃ効果的。まあとりあえず今は砂獣に対応しつつ、サンクチュアリを見守り、そして協会の狙いを探るべきだね。ズンジャイサンバの事も協会は関わってるし……面倒な事は嫌いだから力でどうにか出来れば良いんだけど……人がコミュニティを形成してると、そうも行かないね。大変だ。

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