表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
242/1598

151

 砂獣がズンジャイサンバから逃げ出した人達を襲い出す。幾ら逃げようとも、砂獣は大きい。歩幅の差でどうしても追いつかれる。それこそ馬にでも乗ってないと……だけど、馬程度では結局追いつかれるから一緒である。私の下では地獄が起きてる。


「どう?」

『やはりアレは……力の波長がさっきの騎士に宿った物と同じです」

「ふむ……まあだと思ったよ」


 どうやらあの砂獣、生み出したのは世界ではなくさっきの鎧の騎士みたいだ。砂獣の力の波長がさっきの鎧の騎士に取り込まれた力と同質なのだ。まあ流石に人の姿で人を襲う……っていうのは不味いからじゃないかな? 


「このまま殺し付くのかな? 流石に一人くらいは助けておいて、奴らの悪事をバラすかな?」


 まあ実際、録画してるし、証言者がいるかと言われると……ね。でも遡ってはわからないからね。流石のG-01も時間を遡る事は出来ない。だから彼等の事情なんてのが私はわかってない。ただ、一つの側面から見ただけで「こいつらサイテーな事をやってるぞ!」と余計な事をしようとしてるだけだ。まあでも流石にこの光景が正しいと思わないけど。本当の意味で地獄絵図だし。


『何か着ます』

「うん?」


 いきなり砂銃が吹っ飛ぶ。そしてそれに剣を突き立てるのは……さっきの鎧の騎士だった。一撃の下で砂獣を滅ぼしたそいつは、目にもとまらぬ速さで、逃げてる人を食おうとしてる砂獣を側面から再び吹き飛ばす。そんな鎧の騎士に別の砂獣が襲いかかる。だがそれを鎧の騎士は腕一本で押し返した。それを見た民衆の皆さんはその鎧の騎士に希望を抱く。それに応える様に、鎧の騎士が砂を爆発させる様に駆けた。


 そして二体の砂獣を一気にその剣で屠った。そんな鎧の騎士に民衆は盛り上がる。そんな光景を見ながら私は思う。


「マッチポンプじゃん」


 もうそうとしか言えない。だってあの砂獣はあの鎧の騎士が作り上げた物だ。それを自分で倒して、英雄気取ってるんだよ? 完全なマッチポンプだ。まさかこんな演技をするとは……何が狙いなの? ズンジャイサンバに民衆を戻らせる気なのかな? 


「一人くらいは確保しておこうかな」


 ズンジャイサンバの偉い奴らに皆騙されたままってのも可哀想だし、一人くらいは私が真実を教えてあげよう。アズバインバカラでラパンさんとかには勇者を通して言って貰うけど……その街の人物って重要じゃん。なので鎧の騎士から離れた所にいる砂銃に襲われそうになってる人を見つけたから、それに向かって拳を向ける。G-01の手首から向こう側が回転し出す。そして一気に射出した。鎧の騎士よりも早く、私の拳が砂獣に穴を開け、その手で、呆けてた人を手で包んで拳を帰還させる。とりあえずズンジャイサンバにはカメラもあるし、一階アズバインバカラに戻ろうかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ