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「とうとうこの日が……」


 そういってジャル爺さんが感慨深い顔をしてる。彼は一度アズバインバカラに戻って来た。元々彼の故郷はジャルバジャル……では実はないそうだけど、彼の故郷事態は既にないから、彼にとってはジャルバジャルが第二の故郷みたいな? そんな感じらしい。


 ジャルバジャルのラパンさんの息子が仕切ってる訳だけど、どうやらジャル爺さんも結構な地位に推薦されたときいた。まあ彼はかなり有名な賞金稼ぎらしいからね。昔はそれこそ軍にも居てもおかしくない。そこら辺は知らないが。

 ジャル爺さんはあんまり自分の事を喋らないしね。ただジャルバジャルには復興して欲しいという思いはとても強いみたいだ。当たり前だけど。ラパンさんの息子もジャル爺さんをジャルバジャルの軍の統括か、それこそ賞金稼ぎ達のトップに……とか思ってる。

 まあでもジャル爺さんそれに頷いてはないようだけど。そこら辺がどうしてかはわからない。ジャル爺さんやあの時の戦闘に参加した奴らはどうやら勇者の魔法により、一段階、進化を遂げてる。なにせ体の作りが変わったような物だから、それが簡単に元に戻る……なんて事はない。


 いや、勇者的にはほぼその時の為だけのパワーアップのつもりだったんだろうけど、そんな簡単な事ではないのだ。パワーにはそれ相応の代償がある。前には進めても、後戻りなんてのは出来ない。そんな都合の良い力なんてのはない。


 だから実際、ジャル爺さんは今はまだ爺さんの姿してるが、力を解放すれば、若返る。だから老人だから……体力がないから……とかで言い訳されてもね。


 一応また賞金稼ぎになりたいようだけど、ジャルバジャルを復興させる為にはもっと色々とジャル爺さんに働いて欲しいと思う人達は多いみたい。でもジャル爺さんは新しく手に入れた力に夢中だ。どうやらあの爺さんはかなりの戦闘狂らしい。


 偉い地位に就くとおいそれと現場にはいけない。それを危惧してるようだ。だからジャルバジャルの復興には尽力はするが、偉い地位はいらないみたいなスタンスのよう。


 そんなジャル爺さんが一度こっちに戻って来たのは、どうやら色々な人をスカウトするためらしい。この間、賞金稼ぎの若い奴らを集めて、ボッコボコにしてた。それで自分の弟子? とも言える奴らを集って、そいつらをジャルバジャルへと連れて行くらしい。


 その内勇者に「彼もどうか限界を超えるアレをお願いしたいですじゃ!」とか脚にすがりついて懇願してた。めっちゃ勇者は嫌そうにしてたけどね。まあけど勇者も無茶をした者だと思う。下手に体を作り替えるって簡単じゃない。勇者的には自分の力を与えただけなんだろうけど、全く違う世界の力は基本拒絶されるものだ。どっちかにしか対応しない。


 そうなると普通はジャル爺さんとかこの世界ではもう生きられないとか……そうなる。だって勇者や魔王だってこの世界の力ではなく、私が力を供給してるから動いてるんだもん。勇者に渡した力を勇者がどう使うかなんて感証す気は無いけど……上手くいったのは奇跡みたいな物だ。

 もしかしたらこの世界の人達がより頑丈だったってのも成功の秘訣かも? まあでも普通にやったらきっと死者続出すると思うけど。実際、ジャルバジャルを奪還した後にも普通に勇者に貰った力を使えてるのは本当に一部……だけ。体がボロボロで再起不能奴だっていたよ。私がさりげに治したから問題にはなってないけどね。それでも多分、もう一度同じ事をしたら死ぬと思う。ジャル爺さんとかは特殊だ。


 これからジャルバジャルを目指す一団はかなり多い。なにせ数日前『アインラザード』という街が落ちたらしい。それでジャルバジャルの復興が更に急がれてる。それに……アインラザードの奪還という動きも出てる。ジャルバジャルを奪還したとアズバインバカラの上層部はもっと上に報告したからね。

 ジャルバジャルが取り返せたのなら、そのアインラザードって所もってことになってるらしい。まあ今の所アズバインバカラには出兵の要請は無い。アズバインバカラはジャルバジャルの復興を最優先に勧める事が仕事らしい。


 このあと、アインラザード奪還作戦が失敗に終わったという一報が届くのに、時間は掛からなかった。

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