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 ネナンちゃんが飛び出して言って先生も直ぐに後を追ったわけだけど、なんかネナンちゃん、めっちゃ足早くなってない? 


「成長期だもんね」

『いえ、それで済まして良いレベルではないですよ?』

 

 私が感慨深い事を言ってるとなんかAIが突っ込んできた。いやいや、子供の成長を舐めちゃだめでしょ。しかもこの世界の人々はなかなかに凄い身体能力してるよ? それを考えると、この短期間のネナンちゃんの成長もバカに出来ないのではないだろうか? 


「あれれ? あれ? きゃあああああ!!」


 なんかネナンちゃんも自身の出してるスピードがおかしいと思ったのか悲鳴とかあげてるけどね。そして自分でも予想以上のスピードが出たからか通路を曲がりきれなかった。凄い音と悲鳴が響く。でも私に焦りはない。だってネナンちゃんは壁をぶち破ってまだ走ってるからね。しかもどうやら体に傷一つ無い。


「流石に異常だね」


 ここで私はそう言った。流石にあんな小さな子が壁をぶち破っても傷一つないってのはおかしい。ぶち破ってもダメージくらい有るでしょ。


『寧ろあの小さな存在が壁を壊せることが異常でしょう。そんなに脆いのですかあの壁は?』

「欠陥住宅だったのかもしれない」


 私はそう言って「酷いね~」と呟きながらうんうん唸る。


『現実を見てください。彼女は自身の中の強大な力を制御出来てません』

「いきなり使いこなせってのは無理じゃない? 酷だよ」


 なにせネナンちゃんはまだまだ小さな女の子だ。齢十もいってないよ? そんな子に行き成り力を使いこなせって言っても無理だ。


「なんという……このままでは!」


 先生は事の大きさを理解したのか、何やら腕につけてる腕輪に向かって緊急事態を言ってる。多分あれは通信機器だね。ラパンさんか誰かお偉いさんに通じてるんだろう。でも大丈夫かな? あれ止められる? ネナンちゃんはどうやら自分自身では停止できないみたいだ。それにどんどん早くなってる。そしてあれから一直線に壁をぶち抜いてるから、もう直ぐに宮殿から出るよ。市街に出て更に壁をぶち破りだしたら、ネナンちゃんを見る目がどうなるか……友達とか、無くしてほしくないな。


 しょうがない。ここは私が動くか。勇者の奴は気付いてないし、ポニ子では今のネナンちゃんは止められないだろう。ポニ子に取り込むのが一番簡単なんだけど、なんか力がどんどん漏れ出てるからね。アレをポニ子がため込むと最悪内部から破裂しそう。

 それで無事で入れるか保証はないからね。なのでここは私が動く。全く世話が掛かっちゃう子だよ。

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