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 私が変な砂獣を取り逃がして少ししたら、その陰がどうやら色々とみられてたらしい。アズバインバカラに帰ってきたら、なんかそんな噂を聞いたし、ジャルバジャルに居る魔王からもそんな通信が入った。それはどっちも同じ内容で、謎の砂煙が途中まで向かってきてたけど、急に方向転換してどっかにいった……みたいな話しだ。


 実際あの変な砂獣はなかなかに強敵だったと思う。普通に私達がいなかったら、アズバインバカラもジャルバジャルも墜ちてておかしくない。でもそこには私と同じ……ではないが、私の眷属たる二人と一体がいる。なのでその力を感じ取ったあの砂獣は襲わずにどっかにいったのかもしれない。とりあえずこの話しは勇者に話して、それでラパンさんにでも報告して貰おう。

 実際、誰にも見られてなかったら、何も言わなくてもいいかなって思ってたけど、さっさと見られるとはアグレッシブな奴だ。まあ実際、誰もその姿までは見てないみたい。でも多分時間帯とかから考えて……ね。それに案外誰も姿まで確認してないってのが、馬くらいの大きさなのかなっ感じ。砂獣は普通もっとデカい。街からでもそれなりに近付くと結構見える。でも見えなかったって事は、サイズが小さかったって事もあると思う。


『失態は言わないんですね』

「いやだって、言う必要ないし? 聞かれてもないし?」


 私はあの砂獣の特徴を伝えて、なかなかに強力なそうな奴だったって事と、砂獣なのに、知性がありそうだって事だけ伝えた。私が実験的に作ったなんて言わないよ。だって私のせいになっちゃうじゃん。あれは自然発生した超ヤバい砂獣で、私を見たら逃げ出したって設定だ。追いかけても良かったけど、目的と違うので見逃した――うん、そんな感じだ。


「あーやっちゃたわー私が倒しておけばーいや~でも私がこの世界にあんまり干渉するのもなぁ~って思って」

『誰に言ってるんですか? 言い訳するなら、スピーカーをオンにしていってください』

「いやだよ。G-01はそんな言い訳はしません」


 これは私が一人でこの場でやってるノリみたいな物だ。突っ込まないでほしい。まあけど、私の責任なのは間違いないからね。その時が来たら、私が倒す。それは自分自身のけじめだ。


「一応、ラパン殿には警戒するように言っておきましょう」


 そう言って勇者が宮殿に行くのを見送って私は飛んだ。直上に。アズバインバカラが小さくなる位まで上に行くと、そこから周囲を見回す。


「うーん、流石に見えないな」


 色々とズームとかも駆使するが、厳しい。でもここからだ。色々とセンサーを発揮させてみる。色々と感覚が浣腸されるのがわかる。けどやっぱりこの世界全部をカバー出来る訳でもないからね。しょうがない。


「とりあえず、G-01の影響力を広げていくしかないね」


 多分この世界、そんな広くないと思うんだよね。なら、全部をカバーも出来るかも。G-01だけでは無理だけど、アズバインバカラとジャルバジャルで通信できる様にした装置くらいならG-01で生み出せたし、もっと拡張できるかも。そうやってあの砂獣を追いつめて行こう。まあ片手間だけどね。


 あくまでも目的はサンクチュアリだ。それがネナンちゃんなら……楽なんだけどどうだろう? そんなネナンちゃんは今は宮殿で色々と教育を受けているようだ。

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