126
33222体の神の代行者から逃げることは不可能だし、そもそもがどこに逃げても空から、いや世界の外からその大量の目でこの世界の神が見てるんだ。だからこの世界のどこにも逃げ場がない……と勇者が思ってもおかしくはない。
そうなると逃げるとしたら地下……とかになると思うけど、相手は神だからね。たとえ地上から逃れて地下にこもったとしても、それで視界から外れるか? はわかんない。だってG-01もそうだけど、各種センサーがあれば見えなくも「見れる」――からね。
G-01にできることが神もできないとは限らないだろう。同じような方法ではもちろんないだろうけど、その世界を生み出した神なら、大体の事はできそうだよね。だからこそ、逃げるよりも戦うことを勇者はえらんだ。
ちょっとだけ数が減ったと言っても相手はまだ33222体いるわけで、普通なら立ち向かおうなんてのは自殺行為だろう。にげて逃げて逃げまくる……それでもどのくらい持つかなんて……けど勇者は手応えを感じたのかもしれない。
あの勇者の一撃……聖剣で一撃で一気に数百体は消えた。でも今は減ってないわけで……大量の敵を相手にするためにその強力な力を拡散させて対応してる。どうなんだろうね。
どっちがいいのか……まあ勇者たちは逃げ――を前提に動いてるから減らすこともしなくていいってことなんだよね。うん……私が早く空間転移というか世界転移を安定させることを待ってる。
本船まで逃げたら流石にあの神も追ってこれないだろうからね。だから私は勇者とアイがやられる前にウサギな彼女の転移を安定させないといけない。
「そうはいっても……ね」
いや、G-01の処理能力を駆使して私も頑張ってるんだよ。実際私はサボってなんてない。ちゃんとやってる。けどそもそもが私の所有物的な二人と違ってウサギな彼女は他人だし?
私は勇者やアイの事は直接情報をすっぱ抜く事ができるけど、彼女にはそれができない。そしてその内部には大量の魂。確かに一見は二人が三人になっただけじゃん……と思うだろう。
でも無数の魂があるということはウサギな彼女は1人分じゃないのだ。ウサギな彼女は一人だけど、情報は一人ではなく無数。彼女は一人であって一人じゃない……っていうね。そういう状況なわけ。でも流石にそろそろ終わりは見えてる。そこはさすがG-01って感じ。
後少し、本当にあの少しなのだ。




