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「あんたも狙いなさい!」


 そう叫ぶアイ。その意図を正確に理解した勇者もアイが展開してる鏡にわざとぶつかるように聖剣をふるう。するとやっぱりだけど、アイの銃が放つエネルギーと同じように鏡にぶつかった聖剣の光が拡散した。無数の光が空に拡散する。それによって神の代行者を大量に巻き込める。けど……勿論だけど問題もある。

 なにせ一つの収束された力を拡散されてるわけだ。つまりは一つ一つの威力は当然落ちる。だから最初に勇者がやった攻撃のように一気に百体以上を屠る……なんてことはできない。事実、私が見てる神の代行者を示す数字は減ってない。そう減ってないのだ。


 確かに拡散させることであまりにも多い神の代行者に対抗出来てる。でも、一体も減ってないのだ。これは問題だ。少しずつでも減っていってるのなら、これでもいいけど……さすがにそこは神の代行者である。拡散されて一つ一つの光の威力が減ったら、もう一切神の代行者にはダメージとしては入ってないも同然みたい。

 無数の光でどうにか侵攻を遅らせてるって感じだ。


「さっさとここから離れるわよ」

「だけど……どこに?」


 勇者はウサギな彼女を優しく立ち上がらせてる。一瞬迷ったウサギな彼女だったけど、優しい顔でしかも行動で示してくれた勇者の事は信じられたんだろう。あんな逃げるような行動をとったというのに勇者はそれを責めるなんてことはいっさいなかった。

 ただ優しくしてくれてる。だからもう一度手を取れた。けど勇者の言うことはもっともである。なにせ……だ。なにせ今空には神の目がある。最初に勇者たちを閉じ込めた代行者の行使した目じゃない。本物の神の目である。

 きっとあの目はこの世界をくまなく見てる。いや、見れるはずだ。だってそれが神……だろう。だからこそ勇者もどこに逃げればいいのかわからない。時間を稼げば私が時空間移動のゲートをつないでくれるだろうってことでアイはそういったと思われる。


(うん、もちろん頑張ってる)


 私がさぼるわけないじゃん。ちゃんとやってるよ。まじまじ。でもちょーと、ちょーーーーーーとまだかかりそうなんだよね。なので今は無理だ。


「逃げる場所なんてこの世界にはもうない」

「それでも、神と戦うなんて……」

「大丈夫、勝つ必要はないんだ。そうですよね?」


 それが私に言ってるのはわかる。うん、もちろんだよ!! 今超やってます! 私はもちろんそう伝えたよ。

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