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 今までその重厚そうな二丁の銃展開してまるで要塞のようにドスンと立って撃ち続けてたアイなわけだけど、流石にさっきその手が勇者に与えた影響は見てるわけで……すぐに回避行動を取り出した。一丁をそばにおいたまま、もう一丁の銃を自身から離す。


 別に掴んで支えてたわけじゃていからね。あれは自立可動式の銃なのだ。ウサギな彼女を乗っけてた方の銃にアイも乗って、まるでサーフィンのような態勢に。そしてそのまま波に乗るように操って銃で移動する。推進力が一方方向のエンジンではなく、空式移動を採用してたから銃口を後ろの方に向けても移動できたのは大きかった。

 だって銃口の後ろの方にエンジンがあってそこから推進力が出てる構造だったら、銃口を前に向けて移動するしかできないじゃん? そうなると追ってくる敵には乗ってる銃からは攻撃を行う事はできない。二丁あったわけだから逃げてる時の攻撃はもう一方に任せればいい? それはそう。


 でもエンジン式ではないせいでそんなに速くはあの銃自体では移動できないんだよね。どう考えてもあの手から逃れるってのは無理だ。だって移動速度人が歩く程度の速度しか出ないからねあれ。


 まあけどだからこそ、後ろにも攻撃できるのは大きい。アイが乗ってる銃と離れた方の銃の二方向からの攻撃で確実に手を葬ってるけど、それでもいくつもむかってくる。あの目にやっぱり直接叩き込まないと……と思ってると、本体がいつの間にか追いついてきてたみたいだ。


 ぬっと伸びてくる手。それが銃に触れた瞬間、「ボスッ」――という変な音を出して乗ってた銃の稼働がおかしくなった。いや壊れた? アイにもそうだと思うけど、私にも異常を伝えるメッセージが流れてる。一瞬で壊した? いや……そういう単純な攻撃を加えた……とかじゃない。

 だってあの手は触れただけだ。あの神の代行者の手が触れた瞬間に銃は壊れた。まるでいきなり寿命が来たみたいに……

 勇者もあの手に触れられて苦しんだ。もしかしたらその苦しみは外傷とかじゃなかったのかもしれない。勇者の魂を入れてるあの体。その構造に今の様な重要なことが起きたんだとしたら? 

 それは確かな異常になって勇者を襲うだろう。


 銃が動かなくなった。そしてすぐそこにはウサギな彼女。


「ちっ」


 そんな舌打ちをしつつ、アイはウサギな彼女を守る為に動く。

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