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「どういうこと? てかイラつくな……」


 あの神がむき出しの感情をぶつけてくる。神って感情とかあるの? とか思うんだけど、どうやらあるらしい。いやあるのは別におかしくない。だって別に神だからってなんの望みとかないわけじゃないし、神はちゃんと神としての考えってやつがある。

 つまりは自分の意志があるわけで、神は大量生産される機械ではないのは確か。けどその感情が激しいモノか? っていうのは違うと思ってた。だって神だよ? まあ神話とかに出てくる神はとても人間臭い……とは思う。

 でもそれって結局創作だから……じゃん。神話を書いてるのは結局はその地の生命体だからね。神が自分たちを伝えるために神話を自己で作ってる……なんてことはないだろう。まあ私が気付いたこの世界は私の記憶の中にある宇宙の中に星が収まってるような……そんな世界じゃない。だから私の記憶にある向こうの神とは違うのかもしれない。

 まあ記憶の中の世界では神なんてのとはあったこともないけど。そもそもあの世界に神がいたのかもわかんない。


「まずいまずい、この感情に流されちゃだめだよね」


 むき出しの怒り……神が私に向けてくるそれのせいで私も憤怒に飲まれそうになってる。私はただ怒りという感情を押し付けられてるせいで、一緒にあの神の怒りを共有してるってわけじゃない。だからあの世界に一緒に張り付く……なんて気はさらさらない。寧ろ怒りの矛先がどこにもなくて困るよね。一番向けやすいのは結局の所、この神になるわけだけど……それだとこいつは何がしたいんだってことになるんだけど……だって私がこいつに怒りを向けていいことってある? 

 ないと思うんだけど……


「感情の制御は……むむ……鎮静剤か」


 一番簡単なのがそれだった。確かにそれが一番簡単かもしれない。このまま私が憤怒に飲まれて、目の前の神に喧嘩を売りにいく……なんて事をしたらやばそうだし……これしかないか。なにせ感情ってどう流入を防げばいいかわかんない。

 自分の心がジュクジュクとしてくるのがわかるし、このまま怒りが蓄積されていくと、いつかきっと爆発してしまうだろう。イライラして誰かにあたっても嫌だし……ここは安易に鎮静剤に心を静めてもらおうって思った。

 なにせ私が判断を間違える訳にはいかないんだから。そう決めて私は自身への鎮静剤の注入を認める。私は脚部分までつかるような風呂釜にういてて、そしていろいろと何やら周囲の機械につながってる。だからきっと直接的に鎮静剤が体に入ってくるはずだ。

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