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私はドローンを使ってクマ……だった破片とその体内を破って今や不気味なオブジェとなってる岩の棘を囲んだ。それだけじゃ、この世界から隔絶される……なんてことはない。だってそうだろう。結界を創るだけで世界と隔絶出来るのなら、この技術はとんでもないものになってしまう。
普通の結界はそれこそ外から中への干渉防いだり、中の物を外に出さないようにするための強力な箱みたいな技術だろう。その強度は術者によって変わるが、結界という程なら、大抵はかなり強固と思っていい。
けど、私はなんとなく結界と言ったが、別にこの隔絶に中の物を守るとか外から干渉を防ぐ……なんて意図はない。確かに私はこの岩の棘ごとクマを囲ったけど、それはきっと私にしか見えてなくて、私の……G-01の中でだけその範囲がわかってればいいのだ。
つまりはG-01の中でだけ、そういうくくりで線を引いた……という感じだ。そしてここからこの中と外で世界をわけないといけない。線で引いた内部、そこのデータを私はとってる。
「まずは、確定」
集まったデータで線の内部の変化を止める。ドローンを伝うエネルギーが亀の世界と線の内部を僅かだけ隔てる。それはちょっとの間だけで、いい。確定して隔絶して、そして……「交換」――をする。
まるでオセロの白い面が一気に黒に代わるように、こちらのエネルギーで線の内部の法則を書き換える。まあ私が用意したものじゃない。別になんでもよかったからね。G-01のに残ってた世界のデータを流用した。それによってこの線の内部だけが、別の世界へと置き換わる。
見た目的には変化なんてない。けど……もうそこは亀の世界じゃないから、クマを不死たらしめてた力がクマまで届かない。だから……今まで何回も復活してたクマが溶けるように壊れていった。
白骨化するとかじゃなく、なんと溶けるとは……やっぱり不死は肉体に負担が大きいのかもしれない。まともに死ぬなんてことが出来ないみたいな? 不死者が死んだら、世界に残る事さえできないのかもしれない。




