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勇者もかなり強くなってるし、そうそういろんな世界に行ったとしてもそんなにおくれをとる……なんて事はないと思ってる。それこ私たちに対抗できる存在なんて、世界でも上澄みの方だけ……だと思うんだ。それくらい強いと思ってる。それは己惚れ……とかじゃなく、客観的に事実としてそうなのだ。
てか考えても見てほしい。そんな普通の強さ位で、そこらにいる一般人レベル……とは言わないまでも、それよりもちょっと強いくらいで世界を渡ってたら、簡単にその世界の強者とかにやられるじゃん。それにその世界の問題解決だって普通よりもちょっと強いくらいだと、別に自分がいてもいなくても変わらない……となるのではないだろうか? 突出した強さがあるから、サンクチュアリを求める戦いにも参加できるし、その世界の問題にだって諸手を上げて喜ばれるのだ。
だから私たちは強い。それが結論だ。ミレナパウスさんだって、はっきり言ってわざわざ近接戦をせずに固定砲台と化せば今なら永遠に私がエネルギーを供給し続けることで世界を壊すくらい出来ると思う。私たちの中で一番下のミレナパウスさんでそれなのだ。勇者とかアイなんてもう肉体から生身じゃないわけで、そこらの『生物』とは一線を画してるのは間違いない。
なのに……
ガンキンガンキンガンキン!!
そんな風に聖剣とぶつかってるんですが? あのウサギの爪は実際聖剣にぶつかる度に切られてる。でも、どうやらすぐに生えてくるようだし、奴ら……その数と勢いで押し切ろうとして来てて流石にそれには勇者もアイも手間取ってる。なにせ、私たちはあまりその世界に影響を及ぼしたくないのだ。もしもその世界が危機に陥ってるのなら手助けをするのだってやぶさかじゃない。
けどなにも起きてない世界では自分たちの存在や力はそれこそ何かのきっかけになりかけない。どうやら今勇者たちがいる世界はある問題を抱えてるようだ。
それは世界をスキャンすることで分かってた。あの世界が真っ白に染まってるのも、その問題のせい。けどそれとあのウサギっぽい巨体の生物との関係は別になさそうだからね。だから生態系に影響を与えそうな大量虐殺? は勇者はやりたくないみたいだ。奴らがいなくなることで、助かる生物は確かにいるだろう。けどそれはこの世界の生態系に干渉することだ。
本当ならちょっと相手をして傷つければ追い返せると思ってた。でも……奴らは想像以上に強かった。おかしい。あれはサンクチュアリを宿した個体とかじゃない。でも……一体一体が勇者と渡り合える? 異常な強さをしてるといっていい。




