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とりあえず私はこの世界のサンクチュアリを得ることができた。うまくいくかはわかんなかったが、どうやら私も成長? してるらしい。よかったよかった。アイとかに頼らずに、私とG-01だけでこれをやり遂げれたというのは達成感があるよね。
『サンクチュアリの力を認識しました』
G-01もそういってくれてる。新たな世界の力を得た。実際それによってなにか変わる? って感じではある。これまでだってそうだ。そもそもがサンクチュアリを得たら次の世界に行く……って感じだったしね。世界の扉を開く鍵みたいな? そんなのがサンクチュアリだと認識してた。
でもサンクチュアリはそもそもがその世界に必要だから現れるものであって、別世界の扉の鍵ってわけじゃないんだよね。今更だけどさ。言うなればサンクチュアリは世界の力を自由に引き出す権限みたいなさ?
それかもっというと、世界にアクセスする権利を得る……みたいなものだ。だからここでわかったのは、今までG-01が求めてたのはどうやら力……ではないと言うことだった。どっちかというとG-01がサンクチュアリを求めてたのはどうやらアクセス権の方だったみたいだ。
稼働直後とかはサンクチュアリと共に世界の力も必要だっただろう。だってエネルギーも少なかったからね。世界の力を使ってきっと別の世界への扉を開いてた。それは確かだと思う。
でも今はエネルギーは割と潤沢にある。そうなると、必要なのは権限の方なのだ。世界のデータには他の世界のデータも奥にはあるみたいな? それを使ってどうやら私達は世界を渡ってた……みたいだ。
それは他の世界とのつながりであり、それを得ることで、きっとG-01はそのルートを構築できる……ということなんだろう。とりあえず本艦の方に送ってこの世界から飛べる世界を検索しておこう。情報が有るのなら引っかかるはずである。
そして事前にその世界をスキャンしておくのだ。それで色々と情報を集めていけば、今回のように効率良くサンクチュアリの元までたどり着けるはず。
「ごめんね。ありがとう」
私はそっとまん丸いモフモフの本体を地面においてあげた。彼は眠ってる。私からのアクセスにその小さな脳味噌では耐えきれなかったのだろう。けどきっと大丈夫。すこし時間が経てば今までと同じように動き出せるだろう。
以前ときっとこの世界はかわらない。わたしたちの痕跡はこの世界には何も残ることはない。




