31
サンクチュアリは世界が選ぶ英雄みたいなものである。だからこそ、その力はその存在の魂に紐付いてる。なにせ世界が認めて選んで力を与えてるみたいなものだからね。けどこの世界で英雄といっても……という気にはなる。この世界は別に危機にひんしてる……みたいな事もないような? どこかに侵略者がいるわけでもないし、世界が崩壊しようとしてる……ということでもない。
一応私はこの世界にドローンを飛ばして世界を調べてた。サンクチュアリが現れる……ということはだいたい危機とか現れたりさ……してると思ってたし? でもどうやらこの世界はとても安定してる。
理不尽な世界でもないしね。弱肉強食ではあるが、それはあくまで自然の摂理と言える範囲だ。そしてどこまでも続く豊かな大地。この世界はバリバリに安定してるよ。何も問題がない。
ならばなんでサンクチュアリが目覚めたのか? という疑問が湧き起こるが……まあ別に絶対に危機に瀕して目覚める……ということでもないのかもしれない。サンクチュアリを宿した存在は絶対に世界に生まれてるが、ただ平和なときにはその力が発揮される事がない……ってだけなのかも。
でもこいつは……このまん丸いモフモフはその力を引き出せた。自分が弱かったから、強く力を求めてたのかもしれない。一応敵……はそこら中にいる環境だし、このまん丸いモフモフの生物にはこの豊かな大地だって危険はいっぱいだろうからね。
体内を……いやもっと深くに私は食い込む。それは生物の肉体としてのつながりというよりも、存在として世界にあるデータ? というか……そんなのだ。魂に宿ってるサンクチュアリはそっちの方にあるからね。
肉体という腐敗する物質ではなく、魂という不滅の方に……そっちに組み込まれた世界のデータ。それがサンクチュアリ。
更に私は魂からサンクチュアリの解析を進めていく。さらには同時にコピーも進めていく。ちょっと気になることがある。それはもしもサンクチュアリを複製することができるのなら?
という気持ちである。まあでもそれも私ができるのならG-01を造った人たちがやってないわけ無いと思うけどね。もしかして何かの禁忌にふれることだろうか? その可能性はめっちゃある。
ならば……
「世界の力だけを引き出せる部分だけを活用するとか?」
私はもしかして結構えげつないことを考えてるのかもしれない




