祖にありける新の形 24
私はダミーを犠牲して、今のまん丸いモフモフの本体の攻撃の正体を探る。攻撃だってどんな原理か知ることができたら、対策を取ることができるというものだ。なにせG-01はエネルギーさえあれば、様々な素材から、機器、それにパーツを生み出すことができる。
それによって数千数万に及ぶそれらを持って、どんな状況、世界、空間、時間に対応できる究極の汎用性を持ってるといっていい。専用……ではなく汎用を極めたのがきっとこのG-01のコンセプトと思われる。
空獣を倒すためなら、究極の戦闘力――に振ったほうが良かったんじゃ? とか思わなくもない。でも……きっとそれを試してないわけないよね? そう思う。つまりは、それでは空獣を倒せなかった。
だからG-01は汎用型にしたんではないだろうか? 彼らのその時に持ってたエネルギーと技術……それらを全て戦闘に振ったとしても空獣を倒すことはできなかった。だってまだ空獣はいる。私は出会ってる。
そしてG-01を造った人たち……その世界は……もしもまだ有るのなら、その位置くらいG-01に残して置くんじゃないか? と思うんだ。でもどうやらそのデータはない。いや、もっと深層に有るのかもしれないけど……今の所このG-01を造った人たちの遺産というか? その名残というかはこのG-01と、メタリファーが造ってたあの空間に残ってた船位しかない。
あの船に残ってたデータ、彼の残した記憶と歴史……それにはその世界の『終わり』はなかった。けどあの船に残ってたデータを少し見ただけでも、彼がまだその世界にいた時には既に世界を渡る準備はできてた。てかこれから様々な世界へとわたる……という状況だった。
そして彼が残してたあの船があの場所にいたってからの時間。それは数百年以上の時間だ。それだけあれば、かなりの世界に彼らは進出してたとしてもおかしくないと思うんだ。
でも……そんな痕跡は今までいった世界にはない。まあまだまだ私達がわたった世界なんて両の手でも足りないのだ。
ただそういう世界を引いてるだけ……という可能性はある。けど世界を渡る技術とかある彼らなら、そもそもが人が進む必要性もないような? G-01の様な有人ロボットではなく無人機だってつくれるのでは? アイほどの高性能なAIだって作れるんだから、不可能ではないだろう。そういうのを自律的に稼働させたりさ……させてもおかしくない。
けど、そんなのに会うこともないからね。G-01の故郷とか……だから結構悲惨なことになってるかもしれないという覚悟はしてる。




