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 バリィィィィィィン――


 そんな風な派手な音が……いや実際はそんな大きな音ではなかったのかもしれない。だって何かが破壊される音がそんなに大きく響くか? というとね。それが静寂の中で起きた事なら、確かに盛大に響くだろう。

 けどここはそうじゃない。工場だ。そして戦いが繰り広げられてる。だからそんなにこれは大きく響いてはないだろう。でも……自分の、自分自身の中ではそれはとても大きな衝撃として響いてた。

 なにが起きたのか……それは端的に言うと聖剣の破壊……自身の一部と化してる聖剣が腕の一撃で破壊されてしまった。聖剣がこれまで一度も破壊されたことがなかったか? と言われたらそんなことはない。

 なにせ酷使続けてきた聖剣だ。限界が迎えたのは一度や二度やじゃない。でも……今回のこれは……


「くっ」


 自分は聖剣を一瞬で消した。今や聖剣と自分は一心同体。生身の時は聖剣には対応した鞘があった。けど今やその役目は自分自身に統合されてる。

 だから聖剣を自身の中に戻すことができる。そしてもう一回出したら……


「なっ!?」


 一回戻したのに聖剣は元にはもどってなかった。まだ壊れたままだ。そんな気は実はしてた。きっとこの腕も聖剣を分析してわかってたんだろう。


(今の一撃……聖剣を破壊した一撃には何か種があった)


 そう思うしかない。自身と聖剣のつながり……それが壊されたような感覚があった。今までははっきりではないにせよ、自分と聖剣には確かな繋がりがあって、そしてそれは確かに感じれた。はっきりはしてなかった。でもそこに疑いなんてなかった。

 だって確信があったからだ。でも今は……今は何も感じれない。それが聖剣が治らない理由かもしれない。


(でも、自分の中には戻ったんだ……完全に繋がりが切れたわけじゃない)


 そこに何か突破口があるかもしれない。


「くっ!」


 向けられる拳を何とか避ける。聖剣を壊した拳だ。ガードするだけでもやばいだろう。それにこれには外部の損傷だけじゃない、もっと別の何かを壊す作用もあるようだ。衝撃を内部に伝える――なんてだけの種じゃない。ならば受ける訳にはいかない。でも聖剣がない今どうするか……それは――


「はああああああああああ!!」


 自分は拳を握りしめて腕に向ける。剣が壊れたからって逃げる選択肢はない。ならば……この身一つでも対抗するしかない。大丈夫、この体は生身じゃない。生身よりももっと頑丈で、そしてもっと強力なんだ!!

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