幼少期 第六十九話
劉備の言葉に子供達は、
「え?玄ちゃんと同じ鍛え方?」
「玄ちゃんが、私達に教えてくれるの…?」
「玄ちゃんの鍛え方って天の国式なんだっけ?なんかすごそうだよな…」
と、言って教えてほしそうな反応を見せたので劉備は、
「みんな教えてほしいって事でいいのかな?」
と、言って子供達全員に尋ねてみたのであった。
これに子供達は、
「うん、やってみたい!」
「私も!体を鍛えたい!」
「お願いします!教えて下さい、玄ちゃん!」
と、言って全員が教えてほしいと言ってきたのである。
これに劉備は心の中の世界で、
(よし!これで将来の人材育成計画の第一段階が開始出来る!絶対に成功させないと!)
と、叫びながらとりあえず今の段階からガッツポーズを決めたのであった。
その一方で現実世界の劉備は子供達に、
「…わかった。それじゃどんな訓練をすればいいか考えておくよ。ただしあまり期待しないでね?」
と、言って表面的にはほんの少しだけ面倒臭そうに話したのである。
これに子供達は、
「ええ?期待しちゃいけないの?」
「玄ちゃんだけが頼りなんだよ?」
「しっかりしてよ、玄ちゃん!」
と、言って劉備に縋ってきたのであった。
これに劉備は内心で笑いながら、
「…うん、わかった。それじゃあ気合いを入れて考えておくよ」
と、言って今度は普通に訓練のメニューを考えると約束したのである。
この劉備の言葉に子供達は、
「やった、玄ちゃんがやる気になってくれた!」
「これで俺達も玄ちゃんみたいに鍛えられる!」
「ありがとう玄ちゃん!」
と、言って無邪気に喜んだのであった。
この様子を見た劉備は、
(うーん、嘘を吐いてみんなのやる気を引き出している身からするとこのみんなの姿はちょっと心にくるなぁ…)
と、考えたのである。
しかしそれでも劉備は、
(いや、弱気になっちゃ駄目だ。今から体を鍛えておけば将来の戦乱の時に絶対に役に立つはずなんだから!だから頑張れ私!)
と、考え直して子供達に、
「それじゃあこの話は私が頑張ってみんなの訓練の内容を考えるって事で終わりにするとして、今はここに持ってきた壺をそれぞれの水場に持っていって、それで濾過装置を作る作業を始めていく、これをやっていこうか?」
と、言って話していったのである。
この劉備の発言に簡雍と子供達は、
「…そうだな。俺達の目的は壺をもらってくる事じゃなくて水場に濾過装置を作る事だったからな」
「そっか、すっかり忘れてたよ」
「今は濾過装置を作らないと」
と、言って劉備の言葉に賛成したのであった。
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