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新訳三國志演義  作者: 篠原2
幼少期

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幼少期 第四十三話

母の言葉を聞いた劉備は、


「…そうですか。そうなんですね。私が自由に動くようになったから母上の自由時間が増えた、と言う事ですか?」


と、言って母に尋ねたのである。

これに母は、


「ええ、そうなるわね」


と、言って答えると続けて、


「それじゃ食べていきましょうか?お腹が空いているでしょ?」


と、言って劉備に聞いていったのであった。

この問い掛けに劉備も、


「はい、お腹空きました…。ですからすぐに食べましょう母上」


と、言って母の言葉に従ってこちらも夕食を食べようと話したのである。

これに母も、


「ええ、食べましょう。それじゃ行きましょ、玄徳」


と、言って劉備を連れて食卓に向かったのである。

そうして食卓に着いた親子はこの日に起こった出来事等を話しながら食事を行い、食事が終わると親子仲良く食器を洗ってから就寝したのであった。

そうして次の日の朝、目を覚ました劉備はすでに母が起きて寝室からいなくなっている事を知ると、


「母さん今日もこんなに朝早く起きてる…。寝不足にならないと良いけど…」


と、言いながら服を着替えるとすぐに母を探して家の中を探して歩いたのである。

そうしている内に母が玄関から家の中に入ってくるところを目撃し、


「母上?家の外に出ていたみたいですけど何をしていたんですか?」


と、言って母の元に近付いていったのである。

この劉備の行動に母は、


「ああ、玄徳、起きたのね、おはよう。今ちょっと水を濾過しに行っていたのよ」


と、言って劉備に答えたのであった。

これを聞いた劉備は、


「あ、おはようございます、母上。水の濾過に行っていたんですか…。私も行った方が良かったと思うんですが…?」


と、言って母に尋ねたのだが母は、


「寝る子は育つって言うでしょ?だからゆっくり寝かせてあげようと思ってそのまま寝かせてあげてたんだけど…駄目だったかしら?」


と、言って逆に劉備に尋ねてきたのである。

この質問を受けた劉備は、


「…母上、その尋ね方はずるいです…。何も言い返せないじゃないですか…」


と、言って母の質問に答えたのであった。

この返答を聞いた母は、


「こうでも言わないとあなたは受け入れないでしょ?だからこう言わせてもらったの。ごめんなさいね?」


と、言って劉備に笑い掛けたのである。

これに劉備は溜め息を吐くと、


「…わかりました母上。それならもう早く朝食を作って食べてしまいましょう。行きますよ、母上」


と、言って母の先を歩いて台所に向かっていったのであった。

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