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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
1章グフィーラ王国・古都

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SS4-8、赤薔薇隊隊長~婚約報告兼説得するまでの軌跡~決闘開始

 決闘の審判は面倒臭がってるが、ミミが担当する事になった。ミミの周囲にも鍛錬場と同じ障壁を張っている。これで危険はない。


「ふぁ~、始めて」


 思いっきり欠伸をし、目頭に涙を溜めながら号令を言うミミ。何とも気分が下がる号令だ。

 俺とライラはお互いに剣を構え、お互いに出方を伺っている。


形態変化モードチェンジ風の聖剣スサノオ…………【風の衣】」


 そこそこ早く攻と防に優れてる風で取り敢えず様子見と言ったところだ。

 カズトは体中に風を纏わす【風の衣】という技術スキルを使用した。これは防御系の技術スキルで、ただ単に防御するだけではない。

 飛び道具や遠中距離の魔法等の軌道を反らし、そもそも当たらなくする技術スキルだ。これを極めれば、近距離による武器の攻防でさえ相手の武器が自ら避けるかの如く当たらなくなる。

 それに加え使用者の俊敏性が上がり、風系の攻撃力も上昇する。まさに攻防一体の技術スキルの一つである。


「まるで台風を相手にしてるかのようです。こちらまで風が来て痛い位ですね。流石は勇者と言ったところでしょうか」


 一般の者ならカズトに近寄る事でさえ、出来ないであろう強風が渦巻いてる。まるでカズトのいる場所が台風の目になっているかのようだ。


「来ないならこっちから行くぞ」


 カズトは【風の衣】によって上昇してる俊敏性で加速度が自動車となんら変わらない程の速度でライラに迫る。だけど、それはライラも変わらない。

 普段からユニに向かって今のカズトと同様の速度で突進をしてるライラにとって、これを見極めるには安易な事だ。カズトの速度に自らの愛剣をカウンター気味に合わせる。

 カズトの聖剣とライラの愛剣が交差し、衝撃が障壁を……………鍛錬場を揺らす。速度がゼロになった事でカズトはライラから距離を取る。

【風の衣】で、いくら俊敏性を上げても助走なしじゃ部が悪い。再び先程の速度で攻撃するには離れるしかないのだ。


「流石は赤薔薇隊の隊長さんだ。せっかく【風の衣】で強化したのに防がれちゃうだもんな」

「いえいえ、こちらこそ驚いてます。そんな速さで動ける人なんて中々居ないと思いますよ」


 速さだけを取るなら風よりも雷と光の方が速かったりする。雷の速さには、ようやく慣れて来たところだけど……………光はまだ完璧に使いこせていない。

 まぁ物理的にも種族的にも光属性だけは人の身では一生使いこなせないと言われている。


「隊長さんにお褒め頂けるとは光栄だ。次はそちらからどうぞ」


 赤薔薇隊の隊長の力を見せて貰おうか。

 赤薔薇隊は、その外見の美しさはもちろんのところ、戦闘力も周囲の男達に負けない程になければならない。

 昔、赤薔薇隊の隊員の一人に無理矢理婚姻を迫ったクズ貴族がいたらしい。だけども、その貴族は婚姻を迫った隊員に腕と足の腱を斬られ一生不自由な生活を強いられる事になったそうだ。

 まぁ元々その貴族は裏で相当悪い事をしていたそうで……………殺人、強姦、人身売買、密輸等々数え切れない悪行を繰り返してきた。恨まれるところか周囲から感謝の念が送られる始末だったという。


「お言葉に甘えて、参ります。秘剣【ローズウィップ】」


 ライラの剣が伸び一瞬でカズトの手元まで届いたのだ。良く観察すると、剣の刀身は各々数cm程の刀剣に別れゴム状のヒモで繋がれている。

 それがまるで鞭のように変幻自在にしなり、攻撃が読み辛くしている。ライラは、それを手首のスナップで自由自在に操ってるようだ。

 鞭と化したライラの剣は、カズトに隙を与えないよう弾かれても、別の刀剣が襲う。

 だがしかし、【風の衣】を纏ってるためスサノオとは別に空いてる腕で楽々と防げている。良く見ると刀剣は風の層に阻まれ腕まで届いていない。

 だけど、中遠距離からでは腕で防いでる風にしか見えず、何か頑丈な防具を服の内部に仕込んでいるようにしか思えない。


 ガキンガキン

「なかなかやりますね。これでは近寄れず、それに加え防いでる間に死角からの攻撃に殺られてしまうでしょうね」


 風属性は攻防一体のと同時に感知にも優れている。よって死角はないに等しい。背後にも瞳が付いてる様なものだ。


「くっ!ならこれは避けられないでしょう。【赤薔薇のダンス】」


伸ばしていた剣を一旦手元に戻したライラ。その剣を床に思いっきり突き刺した。そうすると、微かにカズトの耳には地面を掘るような音が聞こえる。

その音の正体は、やはり地面を掘る音で犯人はライラが突き刺した剣で間違いない。だけど、掘り進んで地面から出て来たのは一本だけではなかった。

カズトの周囲を取り囲むように十数本のライラの剣が這い出て来たのだ。良い意味で花のよう、悪い意味で蠍の尻尾のようである。

これが一斉に襲い掛かって来たら、普通なら防ぎ様がない。それに隙間が狭く回避も難しいときたものだ。

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