SS14-15、銃の勇者=《塔》~銃vs《力》その7~
11月から勤務体制が少し変わるので、少し投稿時間が遅くなりました。
感電し続ける数百体の再生アンリが、次々と再生を諦めたようにドロっと溶け肉片へと変貌する。
『これでもヤル積もりか?』
ふるふる
「これは降参するしかないのぉ」
アンリが降参の意思表示をすると、観客席からワァァァァァと拍手喝采と歓声が響き渡る。
『決着ぅぅぅぅぅぅ勝者はぁぁぁぁぁ銃の勇者ぁぁぁぁぁケぇぇぇぇンゴぉぉぉぉぉぉ』
司会者がケンゴの勝利宣言をすると、更に歓声が膨れ上がる。
アンリならまだ殺ると思っていた手前、自分が勝ったという実感を湧かないでいた。
「何をしておる?余に勝ったのじゃ。手を振ってやらんか」
「あ、あぁそうだな」
アンリの呼び掛けに、ようやく自分が勝利したと実感が湧き上がって来た。
雷の最上位精霊を送り返し両手を振り上げ、観客に向かって両手を振る。こんな大勢の前で戦っていたのだと、今更緊張してきた。
「おい、司会者マイクを渡せ」
『は、はい!ただいま』
司会者がアンリにマイクを手渡した。
『あっ、あーこれにて余興は終わりだ。楽しんでくれたなら何よりである。この後もまだ続くので、ぜひ楽しんで行ってくれ。余からは以上だ』
アンリが俺にマイクを渡して来た。えっ?俺も話すの?
「何をしておる。余に勝ったのだ。何か話せ」
「急に言われても」
頭を掻き、覚悟を決めマイクを受け取った。
『えーっ、コロシアムの女王の後じゃ締まらないかもしれないが、まさかこんなに集まるとは思わなかった。今日は来てくれてありがとう』
わーっぁぁぁぁぁ、パチパチパチ
アンリよりも俺の方が何故か喝采と拍手が一段と勢いがあるような気がする。
「マイクを返すわ。さぁ行きましょう」
俺の腕を掴み、コロシアムを後にするアンリ。控え室に戻ると思いきや、控え室から舞台に来たルートとは違う道を通って行き、十数分は歩いただろうか?
アンリ………もといコロシアムの女王と謁見するための玉座の間に繋がっていた。
「ここに繋がっていたのか!」
掴んでいた腕を離すと、アンリは玉座にドサッと座り込む。侍女なのだろうか?周囲に立ったまま待機していた女狂戦士族が、アンリに飲み物やお菓子をタイミング良く渡している。
「ふぅ、さて余は約束を果たす女じゃ。余に勝利したお主のパートナーになってやろう」
「あぁ宜しく頼む」
そうだった。忘れていた。
予想以上に激しかった戦いに勝利したら仕事上での相棒になってくれるという約束をすっかり忘れていた事を言えない。
「くすっ、それとももう1つのパートナーの方が良いかや?」
「も、もう1つ?!」
「そうじゃ」
アンリが立ち上がり、玉座に続く階段を降りケンゴの傍へと近寄る。
「女狂戦士族は強き男が大好きじゃ。余の夫とならんかや?」
「えっ?えぇぇぇぇぇっ!」
好戦的な性格を除けば、好みドストライクなスタイルと顔をしている。だけど、魔神教会教祖であるカノンの影響で女性に苦手意識を持ってしまっている。
「女狂戦士族は、一夫多妻制故に心配はいらぬぞ」
褐色肌で分かり難いが頬を赤く染め上目遣いで、こちらを見詰めながら、そう断言する。
ケンゴの目の錯角か?コロシアムで死闘を繰り広げた同一人物とは思えない程に可愛く映っている。いや、元々美人なのは見て知っていたが、益々妖艶に磨きが掛かっている。
「ジュリも満更では無さそうしのぉ」
アンリが発言した事がインパクトあり過ぎて隣にジュリが来てる事に気づかなかった。
「姫様、そんなルールは無かったはずですが?」
「嫌なのか?」
「いえ、一生姫様に着いていきます」
「お前らも文句あるか?あるなら聞くが?」
「「「「いえ、ありません」」」」
えっ?今作ったのか!それに従者である女狂戦士族全員がノリノリである。
一見、アンリに逆らえないと思いきや全員が頬を染めて、こちらを見詰め唇を舌で舐めている。
「うふふふふ、みんなノリノリのようね。あんな戦いを見たら、そうなっちゃうのも無理はないわね」
ハーレムは、何処の世界でも大抵の男の夢である。あるのだが、戦闘狂とのハーレムは何か違う気がする。
きっと夜の方も激しいに違いない。
何故なら、ジュリがそうだったからである。あの夜は、全てを搾り取られると覚悟した。
ジュリで、アレだったのだ。アンリや他の女狂戦士族を複数人相手を1度に相手したら確実に死ぬ。
俺は、ジリッと少しずつ後退するように出口へと近寄るが、多勢と無勢。出口にも大勢で固まられ逃げ口がない。
「どうして逃げようとする?」
「あっはははは、逃げる訳ないじゃないか」
何処の世界でも男より女が強しという真理は変わらない。




