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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
獣人国家アルカイナ

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SS14-7、銃の勇者=《塔》~温泉街~

「もう1回言ってくれないか?俺に何をして欲しいって?」

「この浴衣とやらの着方が分からないので、着せて欲しいです」


 聞き間違いじゃなかった!えっ?手伝ったら色々見えちゃうけど、良いの?


「何をブツブツ言ってる?ただ、この上から着れば良いだけではないのか?」

「そうだよな。分かっていたさ。アッハハハ」

「???」


 穴があったら入りたい。


「いや、何でもない。先ずは羽織ってみろ」


 左右均等に羽織り、右側の布を左側に入れ込み、左側の布を右腰に巻き付ける。

 帯を真ん中になるよう腰の周りをを1周させ、前側でリボン結びをすればOK。もう少し整えるとしたら、少し右側にすると尚良。

 男は後ろ側でリボン結びをする。後は激しく動いたり、太腿が見えないように座る必要があるが、激しく動く事が大好きな女狂戦士族アマゾネスは、そんな大人しくする事は聞かない。


「意外と動きやすい」

「そんなに動くと太腿が見えるぞ」

「そんなの気にしない。浴衣とやらを着るまで、太腿やお腹見てえた」

「俺が気になるし、それが浴衣のマナーだ」


 ケンゴの言葉に、クスッとジュリが微笑む。隠されてるところを見ると、エロく見えてしまうのが男の性。

 戦闘狂だが、男を手玉に取る事も上手な種族が女狂戦士族アマゾネスという者達だ。


「そんなに見たいの?」

「はぁ?誰が見るか。それよりも行くぞ。じいさんの収める区画は、どうやら温泉街らしいからな」


 食べ物は美味しいと思うし、魔神教会総本山に戻る際には、お土産を買うのも良いだろう。


「温泉?」

「なんだ?知らないのか?自然と湧き出たお湯の事だ。美容や病に良いと聞く」

「ふーん、そんなのあるのね」

「お前、この国にいて知らないのかよ」


 他国から来た者なら兎も角、同じ国にある物を知らないなんておかしい。


「知らなくて当然。何故なら、大抵の住人は自分の区画から出ないから。商人やお偉いさんは例外。私もコロシアムからほとんど出ない」


 それで案内が出来るな?!


「安心して。姫様からケンゴ様が行きたいであろうリストを手渡せてるから」


 えっ?なに、そのリスト?今日、初めて会った初対面のはずだよね?まさか、教祖様から連絡言っていたとか?


「本当かどうかは私にも分からないけれど、姫様には未来予知みたいな事が行えるみたいとか。私も含めて眉唾物だと思ってるけど」


 自分の力を増大させる技術スキルが、《ザ・パワー》の能力じゃないのか?


「でも、私ら女狂戦士族アマゾネスの中で最強なのは確か」

「最強なのか」

「そう最強」


 最強である者が長なのは至極当たり前の話。最強じゃないのに王になるのは人間くらいだ。ただし、どれを取って最強とするのは種族によって異なる。


「それで、そのリストでは俺を何処に案内すれば良いと書いてあるんだ?」

「うーんと、着いて来て」


 ジュリに腕を掴まされ強制的に連行される。『摩天楼』に来た時の靴じゃなく、下駄を履きカランコロンと『摩天楼』を後にする。


「おい、近過ぎじゃないか?」


 外に出た瞬間、腕を組まされ、ピタッと密着されている。その影響で戦った時には感じなかったが、女性特有な良い匂いと豊満な果物が腕に当たってドキドキとケンゴの心臓の音が響いてる。


「ケンゴ様が迷子にならないため」

「本当は?それ、ウソだろ」

「…………男って、こういうの好きなんでしょ?ケンゴ様の心臓が煩いくらいにドキドキしてるのが聞こえる」


 どんだけ地獄耳なんだ!落ち着け、俺の心臓よ。そう考える事が逆効果となってる。余計に腕を組んでるジュリを考えてしまって一向に治まってくれない。


「クスッ、ケンゴ様が私を意識してるって分かったから許してあげる」


 やっと離れてくれた。だが、俺の心の何処かに寂しいと思ってる部分がある。

 頭を振って、そんな煩悩をうち消そうとするが、消えてくれない。


「何をやってる?」

「な、何でもない」

「ふーん。あっ、あそこが姫様のリストに書いてあった店の1つ」


 バレなかったか?バレてる可能性はあるが、今はジュリの案内を楽しもう。

 ジュリの指差した看板には、『温泉饅頭』と書いてある。それも日本語でだ。横に異世界の言葉で小さく書いてある。

 両方、俺には『温泉饅頭』と読めるが日本語の方がしっくりくる。

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