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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
5章神樹の森フリーヘイム

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SS12-10、盾の勇者=教祖~世界の帰還、そして拷問~

「我が主、ただいま戻りました」

「あらっ、おかえり。それで、どうだった?」


 重体に近い《世界ザ・ワールド》を担ぎ、魔神教会総本山へ帰還した《愚者ザ・フール》は、教祖であるカノンの前に片膝をついた。


「無事に魔神様の左手を入手してございます」


 ゴトンと目の前にガラスケースに入った【魔神の左手】が置かれた。

 見てるだけで萎縮してしまう様な雰囲気を醸し出している。


「ふむ、ご苦労であったわ。宝物庫の奥へ保管してちょうだい」

「はっ!おい、これを運んでおけ」

「了解致しました」


 《愚者ザ・フール》の命令で《運命の輪(ルーンフォーチューン)》は、【魔神の左手】を運ぶ。


「それで、《世界ザ・ワールド》はどうした?」

「こちらに」


 ドサッと無造作に床へ転がした。


「ぐへっ…………ここは?」


 キョロキョロと気が付いたのか?まだダメージが残ってる身体を起こし、ここが魔神教会総本山と気付くのは時間掛からなかった。そして、カノンの御前だと言う事にいち早く察知し、頭を垂れた。


「わ、我が主!」

「楽にしてちょうだい。本当なら動けない状態でしょう?」

「いえ、我が主のためなら、この身体が砕けようとも動く所存です」

「私のために働きたいのなら砕けたら困るわ」


 カノンが玉座から降り、カツンカツンと《世界ザ・ワールド》の目の前まで来ると同じ目線までしゃがみ込み、頭を撫でた。


「あっ…………嬉しくござます」


 カノンは鞭と飴を使い分ける。今が飴の1つ、この後に鞭が待ち受けているとは本人カノンしか知らない。


「さぁ痛いだろうけど、我慢して立ってちょうだい。回復させるわ」


 ヨロヨロと立つだけでも痛いのだろう。《愚者ザ・フール》に肩を借りながら、ようやく自立してる状態だ。


「いくわよ。【反射鏡リフレクターⅠ】」


 右掌を《世界ザ・ワールド》の腹へ押し付けた。そうすると、背中側からプクーッと黒めいた赤いシャボン玉らしき物体が排出された。

 およそ、長径5mあると思われ、ふよふよと浮かんで不気味だ。


「これはカズちゃんに受けた全てのダメージよ。どう?身体、楽になったでしょ?」

「はい、あんなに辛かったのがウソのように」


 初めて見た。神官も顔真っ青な回復ヒール技術スキルだ。感覚的に部位欠損しててもいけそうな感じがする。


「これは回収するわね。【鏡世界ミラーワールド】に一時的保存しとくわ」


 カノンの盾に黒めいた赤いシャボン玉は吸い込まれていった。カノン曰く、この排出されたダメージのシャボン玉は誰かが代わりに受けない限り消えないらしい。


「ふぅ、これで十二分にあなたを拷問出来るわね」


 ニコニコと笑顔とは逆の事を言う。


「えっ?わ、我が主?」


 突然の拷問という宣告に困惑する《世界ザ・ワールド


「私の弟と戦ったわよね?まだ、それなら良かった。だけど、殺す気だったでしょ?」

「め、滅相もありません」

「ウソはいけないわ。私が渡したアルカナには感情の起伏も見て取れるの。【無敵世界ヘラクレス】を出したのが、その証拠」


 ギクッ


無敵世界ヘラクレス】は絶対に相手を殺す時にのみ使うとカノンと約束していた。

 まぁカズトには看破されてしまったが、それだけ強力な奥の手であった訳だ。


「クスッ、その奥の手を出して負けた訳でありますな」

「あ、あれは負けてない」

「いえ、負けでございます。弟君は、きちんと分析をし、後の1歩で死んでいたのは、どちらですかな?」


 分析もそうだが、勇者であるカズトが合成魔法を放ったのは、カノンと《愚者ザ・フール》も想定外であった。

 だが、聖剣の能力の1つを暴けたのは大きい。それだけは功績と称えても良いだろう。


「カズちゃんの方が1枚上手だったから良かったものの、もしかしたら殺していたところじゃない」


 ドカン


「グハッ」

「だからね、私は怒ってるのよ。カズちゃんを絶望させるのは私だけ。痛め付けのは良いけど殺したらダーメ」


 カノンの腹パンに《世界ザ・ワールド》は、お腹を押さえながら跪く。


「こいつを牢屋に入れて置きなさい。大丈夫よ、アルカナはOFFにして置いたから技術スキルは使えないわ」

「わ、我が主ぃぃぃぃお許しをぉぉぉぉ」


 魔神教会総本山を管理・幹部の世話をするために連れて来てる数名の選ばれた信仰者に《世界ザ・ワールド》連れて行かれる中で、ずっと叫び続けていた。

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