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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
5章神樹の森フリーヘイム

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SS1-88、帝国の三勇者~捕食~

『オデの腕がぁぁぁぁ』

「ふぅ、スッキリした。私の攻撃からは逃げられないわよ」


 音による見えない刃みたいなものでオーク・ロードの腕は宙を舞った。


『ぐっ…………痛えぇブヒよ。本当に痛いブヒよ』

「何をする気なの?」


 切断された腕の近くによると、器用に足で腕をサッカーのレフティングの要領で口元近くまで蹴りあげると、切断した腕を食ったのだ!


 むしゃむしゃ


「うげっ!自分の腕を食ってるわ」


 けして見ていて気持ちいい光景ではない。まるで食べ物がなく、無人島にて仕方なく生きるために自分の身体の一部を食べてるようだ。


『げっぷ…………ふぅ、これで治ったブヒ』


 腕を食べ終わったオーク・ロードの両腕が何も無かったかのように元通りになっていた。


『これぞ、オデの技術スキル【捕食】ブヒ。食べると再生し、欠損した部位でもたちまち再生するブヒ』


 欠損部位の再生は、高位な回復魔法でも無理な事。回復ポーションの最高位に位置する万能薬エリクサーが可能とされるが神話の中にしか出てこないポーションで本当にあるかどうか怪しいものである。


『さらに食べたものによっては新たに技術スキルや魔法を手に入れられるブヒ。お前を食べれば、オデ最強に慣れるブヒよ』


 つまりは強いから惚れたというのは私を食べて強くなるという事か。


『素直に食べさせてくれれば、楽ブヒ』

「誰が好き好んで、はい食べても良いですよと言う訳ないです」


 洗脳に近い状態で同族を食べていたという内容の漫画があった気がするが、精神系の魔法などで操られない限り自分から身を捧げるなんて絶対にしない。


「ここで倒さないと世界滅亡ね。これなら効くかしら?【音武器サウンドウエポンドン】」


 大太鼓を召喚し、ドラムみたく思いっ切り叩いた。ドンと音と共にオーク・ロードの身体が爆発し、黒い煙が口元から黙々と登っている。


『ゲフッ』


 ドサッと背中から倒れると、そのまま数分間動かないでいた。切断したのと違い、衝撃で脳を揺らし脳震盪に陥ったみたいだ。


『ぐぅっ………熱い…………痛い…………熱い……………痛い』


 気がついた後も爆発による肌の爛れにより悶絶していた。普通に刺されたり切られるのより地味に痛みが継続するのは辛い。


『ちくしょうブヒ。【召喚サモン豚将軍オークジェネラル】』


 いくつもの召喚陣が地面に出現し、そこから次から次へと甲冑と剣を装備したオークが現れた。


『王よ、参上致しました』

『うむ、でかしたブヒ』


 オーク・ロードの配下達のようだ。召喚されたオークらは膝まづき頭を垂れている。


『王よ、我を食べてくださいませ』

『汝の忠誠、しかと受け取った』


 オークの1人が甲冑を脱ぎ捨て、オーク・ロードがガブッと食い始めた。


「な、仲間を食ってる!オエッ」


 ココアの常識では考えられない。敵なら兎も角、同志である仲間を何の躊躇なく食らい、自分の糧にするなんて、日本でなら先ず有り得ない。


『オデの傷は治ったブヒ』


 火傷は完璧に治り、仲間のステータスを取り込み一回り大きくなったような気がする。


『あれがオデの敵であるブヒ。全軍突撃』

「勇者を舐めないでよね【魅惑の歌(ラブリーソング)】」


 ららららーらーぁぁぁぁ


 この世と思えない程の美しい歌声を披露するココア。この歌声を聞いたオーク達の動きが止まった。


「うふっ、さぁ私の敵を倒しなさい」

『『『『『はいっ!ココア様』』』』』


 オーク・ロードの配下であるはずのオーク達が、目をハートにし180度方向転換し、オーク・ロードに襲い掛かったのである。


『死ね。我が王よ』

『ココア様のために死ねぃ』

『ココア様、万歳』

『ココア様こそ、至高のお方』

『何をするブヒ?!お、お前、何をしたブヒ?!』


 流石はオーク・ロード、魔王種なだけはある。配下のオークの攻撃を捌き切ってる。それも襲い掛かってるオーク誰1人も傷を負わせずに圧倒している。


 パチパチ


「やるわね。彼らは、私の歌に聞き惚れただけよ」


 そう、デバフの1つである魅了に掛かってるのである。魅了に掛かると、自分の意思とは関係なくココアの味方として働く事になる。


『ならば、お前ら目を覚ませぇブヒ【魔王の咆哮】』


 空気が振動する程の甲高い声にオーク共は動きを止め、膝を着いた。


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