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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
5章神樹の森フリーヘイム

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SS1-85、帝国の三勇者~氷鎧~

 顔以外フルアーマー状態となったジャックが、ふぅーっと吐く吐息も白くなり、ジャックの周囲だけ冬になったように気温も下がって来てる。

 ジャックが1歩歩けば、その足元も凍りつく。まるで極寒地獄から来た氷狼みたいだ。


「ふぅー、これでお前の手足を凍らせば、負けを認めてくれるか?」

『フザケルナ!そんな氷、溶かしてやる【火夏星】』


 まだ性懲りも無く炎で氷を溶かす積もりだ。1回やれてもまた出来るとは限らない。


「やれるものならやってみな。今度は逆に炎ごと凍らせてあげるぜ」


 挑発する積もりで、右手を上に親指以外の指を数回前後に動かした。


『そんなに死にたいようだな』


 沸点が低いのか?簡単に挑発に乗ってくれた。今度は【水鉄砲】みたく致命傷にならない位に瀕死に追い込もう。


『はぁぁぁぁぁぁ』


 そこそこ早いが真正面から正直に炎を宿った槍を突いて来た。早いが、これくらいなら回避も出来るし、簡単に受け止められる。


『ふっ、掛かったな』

「?!」


 刃先が二重三重とぶれた。いや、実際に刃先が3つに別れて見える。


『【火夏星】と【箒星】の合わせ技だ』


 こんな近距離で3つに分かれては回避も受け止める事も出来ない。判断を間違った。


『くらいやがれ』


 まるで大砲でも打たれたように勢い良く後ろへ吹き飛ばされ地面に叩き疲れた。


『ふん、腹にでも穴が空いたか?人間は腹に穴が空いたくらいで死ぬからな』


 土煙が止むと、何も無かったかのようにジャックは立ち上がっていた。


「ふぅ、ビックリはしたが…………そこまで威力はなかった」


 多少、氷の鎧が砕けたが、この程度直ぐに修復出来る。それにしても、さっきのは油断した。

 もし、リンカの姉御が見ていたなら、無傷でもお説教を喰らっていたかもしれない。


『なにっ!お前、何で死んでいないんだ!』

「何故だろうなぁ?俺の作った鎧の方が硬かったんじゃないか?」

『ふざけろ。渾身の一撃を放ったんだぞ』


 一撃じゃなくて三撃だけどな。


「今度は、こっちの番だ」


 頭までスッポリと覆い隠すと、更に冷気が増した。【氷鎧アイスアーマー】は、タダ頑丈なだけではない。

 ちゃんと攻撃にも転用が出来る。【氷鎧アイスアーマー】は謂わば、全ての氷属性による技術スキル・魔法を使用出来るというチート魔法だ。

 ただし、リスクも存在する。1回魔法を解除してしまうと、魔力は身体活動に必要な分を除いて無くなり動けなくなってしまう。


「【氷武器アイスウェポンソード】武器は普段使わないが、練習のついでだ」

『舐めんな。付け焼き刃で、剣が槍に勝てる訳ないだろ。もっと火力を【火夏星・紅蓮】』


 槍の炎の勢いが増し、熱風がこちらまで押し寄せて来る。本来なら、この熱風だけで逃げ出すだろうが、今は【氷鎧アイスアーマー】で熱風は効かない。


『行くぞ、こらぁぁぁぁぁ』

「望むところだぁぁぁぁぁぁ」


 ガキン


 炎の槍と氷の剣が交差した瞬間、氷が一気に溶け蒸発したかのように周囲に水蒸気で視界が失せた。目の前にいたはずのリザード・ロードがいない。

 だが、リザード・ロードが持つ槍には炎が灯ってる。濃霧だとしても明るいはずた。


 いた!


 ユラユラと火の玉みたく炎が揺らめいている。音を立てずに氷の剣で斬り伏せたと、その時は思った。


「なにっ!」


 切ったのは、本当に火の玉だった。


「これは!」


 火の玉が分かるだけで10数個ユラユラと揺らめいている。それに、どの火の玉にも魔力が込められており探知を困難にしている。


『【残星】残像や幻を作り出す技だ。まぁ今回は火の玉だが、ワイが何処にいるか分かるまい』


 声も反響して何処から話してるのか分からない。殺気や気配からも探そうとするが無理だ。【残星】の影響か?あらゆる方角からリザード・ロードの気配がする。それと、この水蒸気が一向に晴れない。


「この水蒸気も貴様の仕業か!」

『ようやく気付いたか。ほれほれ攻撃しちゃうぞ』


 大丈夫だ。落ち着け、攻撃されても【氷鎧アイスアーマー】がある限り、あちらの攻撃は通らない。


『と、思ってるだろ。だが、残念だ』

「グハッ!」


 水蒸気が濃くてリザード・ロードの姿は見えないが、槍の刃先だけが俺の脇腹を突き刺した。それもタダの突きだ。

 氷の鎧を砕き、脇腹から血がドクドクと湧き出てる。ブサっと抜かれると、不思議な事に血が止まったと思いきや氷が元通りに治っており傷口も塞がってるどころか痛みもなかった。

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