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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
4章マーリン戦争

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212食目、斧&槌vs《教皇》再び

「アイツを倒せば終わりね」

「あぁ、魔物モンスターを召喚するだけで戦闘力は高くはないはずだ」

「くそっ!嘗めやがって!魔物モンスターを改造出来るという事は、こういう事も出来るのだよ」


 《教皇ハイエロファント》が懐から注射器らしき物を取り出した。それを自分の腕に突き刺し赤い薬品らしき物体を体に投与したようだ。

 注射器らしき容器が地面に落ち割れると、《教皇ハイエロファント》の身体に異変が起きた。腕や足だけではなく身体全体の肉という肉が肥大化し、みるみる内に5mは雄に超える化物と変貌した。


『ゲフッ、この薬は効きますねぇ。力が底から湧き上がって来るようです』

「はんっ、魔物モンスターを召喚するどころか自ら化け物と成り果てるとか笑えない話だ」

「プフッ、ただ的が大きくなっただけとか笑えるよね」

『笑っていられるのも今の内だ』


 肥大化した腕を振り上げたと思いきや、ゴムのように伸ばして来た。間一髪で避け、腕が戻る前に斬り伏せようとするが戻る方が若干早かった。


「チッ、意外と早い」


 でも、これなら連戦でもどうにかなりそうだ。むしろ、先程のゴブリンライダーの方が、厄介と思う程だ。


『グッハハハハ、これは良い。逃げてるだけか』


 こっちは二人とも近距離な武器なのに対して向こうは、腕が伸びるという反則級な距離で攻撃してくる。

 そこで伸び切ったところを攻撃しようにも軟体動物のようにグニャリと曲がり、スカッと空振りしてしまう。


「まるでタコじゃないか」

「腕がダメなら体を狙うまでよ。雷の聖槌ミョルニル【雷槌イカヅチ】」

『ぎゃぁぁぁぁぁ』


 雷と化したサクラは、鈍重な槌を持っているとは思えない程に速い。魔物モンスターと化した《教皇ハイエロファント》も目で追えてない。

 死角である背中に思いっ切り雷の槌を放った。ゴーレムやメタルリザード等の鉱物を主成分にしてる魔物モンスター以外は大抵電気は良く通る。

 モクモクと元《教皇ハイエロファント》の口元から煙が立ち昇っている。これで殺られてくれれば良いのだが?


 ギロリ

『良くもやってくれたなぁぁぁぁ』


 今倒れそうに白目を向いてた瞳から肉食獣が怒りを顕にしたような瞳へと変化した途端、肉体にも変化が訪れた。

 脇下から肉塊がムキムキと増大し、さらなる腕が生えてきた。いや、二本だけではない触手のように次から次へと気持ち悪いくらいに生えてきてる。


「いくら増やしても遅いわよ」

「いや、サクラ周りを良く見ろ!」

「えっ?!」


 身体からだけではない。生やした腕からも腕が生え予想外の動きをしてくる。点に見せ付けての面による包囲。

 あれでは、いくら速かろうと捕まるのは時間の問題だ。逃げる場所は、いずれ無くなる。


「くっ、こんなの」

『我の腕とそなたの速度、どちらが速いか試してみるか?』


雷槌イカヅチ】で、いくらコンガリと焼いても直ぐに違う腕が生えてくる。ショウも何かしら反撃しようとするが、上手く身体が動かない。


「俺の身体動け。動けよ」


 余裕と思ってた自分が恥ずかしくなる。まだ腕が2本の時に避けるところまでは動けていた。だが、サクラが反撃を喰らわした当たりから全くと言って良い程に動けない。


 聖斧マリアを持つ手にも力が入らない。こういう時に動かずに、いつ動くと言うのだ。とある先生の決め台詞を言いそうになるが、フラグになりそうで止めとく。


「今まで使った事ないが、仕方ねぇ。水の聖斧マリア奥義【聖母の抱擁(マリア)】」


 ショウは回復系の技術スキルなんて今まで一回も使った事がない。攻撃は最大の防御というように多少妨害はするが、ほとんど攻撃のみの技術スキルしか使ってこなかった。

 新たな技術スキルを覚えると頭に直接ナレーションみたいな声が響き渡る。だから、名前と内容は使わなくても理解してる。


「今回限りの解禁だ」


 唯一の回復系の技術スキル。その効果の程は、奥義というだけあって絶大。今までのダメージや疲れを始め、自覚がない病原菌やコレステロール等も全て消え失せた。

 むしろ、戦う前よりも元気になってる気がする。体が軽い、今なら何でも出来るような気がしてきた。

 だが、そのリスクとして当分の間、あの奥義は使えないと始めて使ったにも関わらず理解した。

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