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勇者レストラン~魔王討伐して、やることないのでレストランを開きました~  作者: 鏡石錬
3章魔法大国マーリン

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156食目、樹精族とハクとカレー

 カズトはシドニス国王が兵士に対して行ってる扱きを散々聞き、精神的にお腹がいっぱいになったので次のところへ見て回る。

 ちょうど樹精族ドライアドであるリリシーからお代わりの要望があった。


「お待たせ致しました。ベジタブルグリーンカレーでございます。辛さは甘口でございます」

「カズト兄様、ありがとうございます。リリシーは、いつも食が細いですけど、このカレーとやらは次々と食べられます。まるで魔法のような料理です」


 龍人族ドラゴノイド巨人族ギガントと比べると樹精族ドライアドは、そんなに食物を食べる種族でないが、リリシーは既に三杯目を食べている。

 良くこんな小柄な体に入るもんだ。というよりも、カレーに使ってる香辛料スパイスが食欲を刺激してるのだろう。


「我が娘が、こんなに無我夢中で食べるなんて初めて拝見したのよ。これもカズト様がお作りになられたカレーとやらのお陰ね」

「ルルシー女王陛下、私にとってたくさん食べられる事は料理人冥利に尽きます」


 普通にお辞儀をした積もりのカズトだが、顔に何か付いてるのか?リリシーが、ジーーっと俺の顔を見詰めてくる。


「リリシー様、お代わりでしょうか?」

「いいえ、何でもありません」


 若干頬を赤くしながらカレーを頬張る。だけど、頬張り過ぎたのか、噎せてしまう。

 俺は、リリシーの背中を優しく擦り、ゴホゴホと咳が止まるまで待った。


「カズトお兄さま、ありがとうございます。カズトお兄さまの前で、お恥ずかしい姿をお見せしてしまいまして、ごめんなさい」

「そんなに急がなくても、カレーはまだ大丈夫です」

「そ、それは大変良い情報です(カズト兄様に気付かれなくて安心しました。ですが、何か複雑な気分です)」


 リリシーも何故自分が頬を赤くしたのか理解していない。それ故に首を傾げるが結局答えは出ないのであった。


「ハクも美味しいか?」

「キュっ!キュルルルル」

「そうか、次はカツカレーが良いんだな」

「カズトお兄さまは、ハク様の言ってる事が解るのですね?」

「いや、何となく意志疎通が取れるだけだ。ほら、ハクのカツカレーお待ちどう様」


【人化】が使えないハクが爪を器用に人間を含む種族ぽくスプーンとフォークを使用している。

 ハクには悪いが多少は溢すと考えていた。俺は静かに内心でハクに謝る。


「羨ましいです。リリシーもハク様とお喋りしたいです」


 俺自身もリリシーと同じでハクと話をしたいと思っている。シンパシーと言ったら良いのか?今は何となくハクが伝えたい事が解る程度だ。

 もしハクが【人化】を使えるようになったら、どんな声をしてるのか今から話す事が楽しみでしょうがない。

 それにしても、あの小さな体にどうやって収まってるのか気になるところだ。身長は、60cm程しかなくリリシーよりも食べている。


「妾にもお代わりをお願い出来るかしら?」

「はい、今お持ち致します」


 ルルシー女王陛下からカレーのお代わりをお願いされた。直ぐ様にグリーンカレーを持って来るように指示を出す。

 ルルシー女王陛下も娘に負け時と見た目によらず皿を積み上げる。

 スレンダーな体つきで、ハクとは違う意味で親子共々良く入るものだと感心してしまう。


「キュっ!ガウっギュル」

「えっ?次はコロッケカレー?食い過ぎじゃないか?」

「ガウっキュルル」

「分かった分かった。おい、コロッケカレーを頼む」


 体は小さくとも龍人族ドラゴノイドのだけあるのか。巨人族ギガント鬼人族オーガ並みに皿をわんこそばみたく積み続けてる。

 念のためにボーロの部下数名を厨房に残して来て正解だったかもしれない。

 このままでは、カレーやご飯(ライス)からになりそうな勢いだ。カレーが、カズトの予想を遥かに上回り、みんなの食欲を刺激してしまったのだろう。


「ハク、お待たせ致しました。コロッケカレーでございます」

「キュル!」

「おい、もうそろそろ補充を頼む」

「はっ!了解致しました」


 目の前に置かれたコロッケカレーにハクは、喚起の雄叫びが響き合い、コロッケにカレールーが掛かってる部分をスプーンですくい頬張る。

 そんな様子をジーーっと見てるリリシーとルルシー女王陛下は、王族らしからぬ表情で見詰めてる。

 コロッケカレーを食すハクを見詰めながら二人ともチラッチラッとカズトを『『私達もアレが食べたい』』と視線で訴え掛けてるような表情を向けている。


「はぁー、コロッケカレ━━━━いや、コロッケグリーンカレーを2つ頼む」

「はっ!承りました」


 俺が、コロッケカレーでしかも、ルーをグリーンに変更して頼んだ事にリリシーとルルシー女王陛下の二人は歓喜の笑みを浮かべいるのである。



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