SS1-34、帝国の三勇者~出発の準備~
翌日、リンカ達三人が朝飯を食っていたところにゴンと今にでも眠ってしまいそうなルカールカが来た。
一緒のテーブルに着いたところでルカールカの限界がきたようでテーブルに突っ伏した。もう食べる余力もなく、グゥグゥと寝息を立てている。
「ほんの一時間前に仕事が終わったらしくてな。ここまで歩いて来るのに気力だけで持っていたものだな」
「では、今日はゆっくりとお休みになられて出発は明日という事でどうでしょうか?」
「意義なし」
「俺は何時でも良いぜ」
「すまんな。ほれ、ここにいたら邪魔だ。さっはと行くぞ」
「ふにゃ、はーい」
これでルカールカの方が年が上だとは信じられない。今のルカールカを見たら、ゴンが父親でルカールカが娘に見えてしまう。
そして翌日、又もや同じ時間帯にゴンとルカールカが現れた。ルカールカが、頬を赤く染めリンカ達に目を合わせようとしない。
「あぁ、なんた。昨日の事が恥ずかしいらしいんだわ。少ししたら戻ると思うから待っててくれ」
「テレるルカもグッジョブ」
「これで幼児じゃないとは信じられません」
「まるでコ○ンみたいだな。まぁ頭の中はババァだが」
「くっ!笑いたけりゃ笑えば良いさ」
ゴンとルカールカも席に着き、軽く摘まめる物を頼んだ。1日目一杯休んだルカールカは、昨日とは別人のように生気が回復している。
昨日は本当に死んだ魚の目をしていた。あれで旅をしていても何時か倒れていた。
「それで今直ぐにでも行くのかい?」
「えぇ、またグフィーラ王国まで結構な距離がありますから」
昨日の内に食料や飲料水、夜営に必要な消耗品等々を買い漁り、それぞれのアイテムボックスに収納している。
「次こそグフィーラ王国か?」
「確かにグフィーラ王国だけどよ」
「あそこを通ると考えると本当に気が滅入る」
ルカールカがテーブルに地図を拡げ、とある箇所を指した。そこは、ちょうど鉱石の洞窟ガリウムとグフィーラ王国に挟まれサンドされた位置、辺り一面が森となっている。
「この森は、シャングリラの森と言って通称:楽園の森。ここを必ず通らないとグフィーラ王国には行けない」
「遠回りになるけどよ。ここを通れないのか?」
シャングリラの森の横には、砂漠が広がっており地図上では森を通らなくてもグフィーラ王国の王都まで行けるように見える。そう、あくまで地図上では。
「そこは通れねぇよ。ちょうど砂漠とこちら側の境界で砂の竜巻が年中渦巻いているからな」
無理矢理にでも突破するものなら体が跡形もなく、千切れる事を覚悟するしかない。
どんな魔法でも消す事は出来ないそうだ。一応、冒険ギルドにてSランク以上の任務として張り出されているそうだ。
砂の竜巻を消滅させた者には莫大は報償金が出る。ただし、もう任務が発行されてから200~300年は達成されてないという。
所謂、ドブクエストという訳だ。
「でも、このシャングリラの森を抜けるだけだろ?なんで、そんなに憂鬱なんだ?」
楽園と呼ばれるなら楽そうに抜けるものだと安易に想像してるメグミ。
「楽園と呼ばれる由縁は、我々種族ではなく魔物とっての楽園だ。楽園の場所によってはSSランクの魔物が出たりする」
まぁ通る道を間違えなければ雑魚ばっかりしか出会さないと一言を付け加えた。
シャングリラの森は、他の地域とは類を見せない程に魔物の種類が豊富で、E~SSまでそれぞれエリアに分かれてはいるが、ここまで共存出来てるところは他にはないだろう。
「そんな楽しいところがあるとは、早く行こうぜ」
「メグミ、強い魔物のエリアには行きませんから」
「えぇ~、何でだよ?!」
「えぇ~」
「リンカは真似しない。あなたが戦えば、森が焼け野原になってしまいます」
メグミの悪癖で、数分間程度なら自我を保っていられるが、相手の血を浴び長時間の戦闘になる程に、メグミの表情が笑顔となっていき周囲の状況が見えなくなってくる。
最終的は、仲間・敵関係なく襲い掛かる。帝国ブレインズでもやらかしており、一回帝国ブレインズの宮廷魔術師に見てもらった事がある。
その人によれば、おそらく一種の呪いみたいなものらしい。聖槍ゲイ・ボルグのシリーズ系:七つの大罪が原因とされる。
強力過ぎる技術や魔法には副作用が付き物。使用してなくても、七つの大罪から侵食と表現すべき現象が起こっている。
聖槍ゲイ・ボルグから七つの大罪の目に見えないオーラがメグミを包み込むイメージで、時間が経つに連れ自我を失ってしまう。




