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74.運命の出会い?02

 その場には()()()も含めると三つの運命の出会いがあった。


 ●イースの()()()なルミアーナとの出会い。(これは、どうでもいいだろうか?)

 ●前世で可愛がっていた竜との再会!

 竜は知らなかった主が若くして死んだなどと…。

 何百年もの時を経て生き続けた竜は探し求め続けた(あるじ)にようやく再び出会えたのだ!

 ●ティムンと大きくなったリミィの出会い!これは運命というより必然なる出会いというべきだろうか?けれど何か少しややこしい事に?


 ***


 ティムンは驚いていた。

 ラフィリルではルミアーナをはじめ義母や精霊の方々や王太子妃や第二王子のお妃など、美しい人達を見慣れ過ぎていて『()』に対して相当鈍くなっていたティムンが、初めて心を動かすほどの美少女に出会ったのである。

 別段、面食いと言う訳ではないが、その少女の美貌はそれほどだった。

 どこかルミアーナにもリミアにも似た(当たり前だ!)少女。

 まだ咲き誇る手前の朝露を含んだ瑞々しい白薔薇の蕾のような少女…。


 その少女の自分から直ぐに離れようとした態度も新鮮だった。


 …と、言うのも正直、ティムンはこれまで考えられないくらいモテていたからだ!

 しつこいようだが、とにかく人当たりが良くて誠実なティムンは、()()()()()()()()モテていたのである!


 身分、性格、見た目の三拍子そろった上に実力もあるときたもんだから、世の令嬢達の目が彼に向かない訳はなかった!


 ラフィリルの学園時代にはストーカーめいた女子もいたし、家族ぐるみでぐいぐい迫ってくる者もいた。

 リミアという許嫁がいるにも関わらずである。


 これはリミィがまだ幼い子供だと言う事もあり、希望的な観測から王家に血族の姫を奪われないためのラフィリアード公爵家とアークフィル公爵家の仮の婚約に違いないという見方をする者も少なくは無く、仮にこの婚約が本物でもまだ七歳の子供相手からなら『まだ奪える!』と気色ばんだ貴族令嬢達の思い込みに寄るものだった。


 実際、そういう(王家に奪われないための仮の婚約という)思惑が全くなかった訳ではないので、そう周りに取られるのは仕方のないところだっただろう。


 己惚(うぬぼ)れる訳ではないが、リミィの照れ隠しの()()()()()()()は逆にティムンの気を引くものだった。

 今のリミィ(ティムンはリミィとは気づいていない)の態度は自分が抱きあげた事を嫌がっているように見え、ティムンにとって新鮮な驚きだった。

 これまでの獲物に群がるハイエナのような令嬢達とは全く違う恥じらいのある慎ましやかな、この美しい少女を好ましく感じたのは自然な流れだったかもしれない。


 そんな純真な彼女にティムンは、助ける為とはいえ少女に断りもなく触れてしまった事に急に罪悪感を覚え謝った。

「っ、ごめんね?いきなり抱き止めてしまって」


 そんなティムンの言葉にリミィは少し驚いて答えた。

「えっ?いいえ、その…助けて下さったのですもの。ありがとうございます。あのままだったら床にたたきつけられていたでしょう」


「いや、君の彼氏も君を助けようと…」

 一緒に居たあの気の全く読めない美少年…対の人形のように美しい彼はきっとこの娘の許嫁か何かだろうと思いティムンはそう言いかけた。


「え?彼氏っ?」


「え?違うの?今、竜を撫でている黒髪の…」


「あ、()()は弟です」


「え?そうか、そうなんだね。そう言われてみれば顔立ちは似ているね?二人ともとても美しい顔立ちだ」


「いえ…そんな」


「美しい顔立ちというものは、似るものらしい。僕の知る美しい人達は、良く似た人が多いんだ。君も僕の知る美しい人達と面影が重なってしまったくらいだよ」


 ティムンは自分の義姉のルミアーナやそのルミアーナにそっくりなラフィリルの第二王子の妃であるイリューリアがとても良く似ている事を思いだしていた。

 だからこの少女がルミアーナやリミアに似ているのも『美しい人』というものがそういう顔なのだろうと思ってしまったのである。


 リミィは複雑な気持ちだった。

 嬉しくも、この甘い雰囲気は何なのか?

 ティムン兄様は自分がリミアだとは気づいていないようなのに…。

 自分以外の女性ともこんな風に甘い雰囲気になるのかと…。


 そしてティムンもまた思っていた。

 リミア(リミィ)以外の女子に心惹かれる事などあるとはなかった、


 僕は一体どうしてしまったのか…。

 こんな気持ちリミアが知ったら傷つくかもしれない…。

 そう思うくらいには目の前にいるこの少女に心惹かれていた。


 目の前にいる少女ともう少し一緒にいて喋ってみたいとそんな事を思ってしまったのだ。


 この()()()()()()()()少女に…。


 ただ、似ていても纏う(オーラ)の色はリミィの()()とは違う。

 血族特有の白銀の輝きはなく()()()()のようである。

 これはジルの魔法で打ち消しているからだったが、ティムンはそれを見て()()であると認識していた。


(リミアに似ている…リミアが成長したら、きっとこんな感じなんだろうな)と、そう思った。

 ジルが()()()()でリミアの気配…(オーラ)()()()()()()()()()()、普通にティムンはリミィとジルの事はいくら大人になっていても分かっただろう。


 ティムンはこれまで外見と(オーラ)をセットで相手を認識してきたのだから…。

(ジルも、いくらリミィが隠れたがっていたからと言っても余計な事をしたものである)

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