表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/112

45.新入生歓迎パーティの茶番劇07ダンの終焉

「さて、ご説明いただけるかしら…」学園長は眼鏡に片手をかけてダンとリハルトに睨みをきかせた。

 女性ながら、なかなかの迫力である。


 それに対し、これまでの経緯をリハルトが説明した。

 そしてダン・フィリア・ジルの順番に個別に面談した後に皆を揃えて学園長は結論をだした。


「なるほどね…それぞれの話を聞いて、よく分かりました」


「ダン・ホーミット、残念ながら貴方はこの学園に相応しくありません。ご家族へ手紙を届けますので迎えが着き次第、帰国なさい」


「なっ!なんで僕がっ!僕は騙されていたんですよ!フィリアは怪我が治っていたのにそれを言わずに」


「おだまんなさい!私がフィリアさんでも貴方には傷が癒えたことを言わなかったことでしょう!」


「そ!そんなっ!」


「大体、顔に傷が出来たくらいで、価値がないような言い様は女性全てへの侮辱です!ましてや傷がなかったら一緒にいてやっても良かった等と言えること自体、人としてどうかということです!」学園長にダンに対する容赦はなかった。


「だって、魔物の傷ですよ?穢れですよ!?」


「ダン君、良い事を教えてあげましょう。貴方に魔物が近寄って来たのに教会から神父様や大人たちが出て来たら魔物は、すぐに離れたのですよね?」


「はい、そうです」


「そして、貴方を結界の中に連れていこうとフィリアさんが結界の外にでたら、魔物はフィリアさんめがけて戻ってきた…」


「そうです!フィリアが勝手に出てきて勝手に狙われのです!」


「お黙んなさい!つまり魔物は貴方の事は、たまたまいたから近寄っただけで教会から人が出て来たら逃げたのです。つまり、たいして興味もわいてなかったのでしょう。しかしフィリアさんの魂は魔物に取って極上だったのです!フィリアさんを見つけると戻ってきた!つまり危険を冒してまで手に入れたいほど美しく気高い心の持ち主だったという事です!」


「なっ!でっ…でも、じゃあ、やっぱりフィリアの怪我は僕のせいなんかじゃなくて自業自得じゃないですか!」


「お黙んなさいと言ってるでしょう!そもそも、貴方が結界の外の魔物の森にいた事が問題なのです!ましてや助けてくれようと危険を冒してくれた相手にその言いぐさ!貴方は学園より先に教会なり神殿になり通い、人としての道徳を学ぶべきです!」


「な!なななっ!何を!兄様!何とか言って下さい!貴方の弟がこんな酷い事を言われているのですよ?」


「ダン、今のお前は家族の情をもってしても庇いきれない!学園長のおっしゃる通りだ!僕からも両親に手紙を出しておくから一度屋敷に戻ってやり直せ!」


「なっ!なんで…なんで僕ばっかり責めるんだっ!」


「それが分かるようになってから受け入れてくれる学園を探しなさい。貴方はこのまま寮に帰って、迎えが来るまで謹慎処分です。ご実家からのお迎えは早くても一か月はかかるでしょう。それまで自分がフィリアさんの立場だったらと考えて過ごしてみる事です」


 そうしてダンは学園長の命令で男性教諭に連れられ寮へと強制的に戻されたのだった。


 これから迎えがくるまでの約一ヶ月は、寮内の自室での謹慎処分である。

***************

▼作者からの一言▼

※アルファポリスさんにも投稿させて頂いております。続きが急いで気になる方は、アルファポリスさんに先行投稿しておりますので、宜しかったらご覧ください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ