寮に着いて
その後も、リハルトは皆に学園の事や領内の事を説明しつつ案内し、その後、寮での初めての晩餐をむかえた。
既に皆は食べ始めている。
と、言ってもまだ食べ始めたばかりのようではあるが…。
少しばかり晩餐の時間には遅れたようである。
「各自の紹介や挨拶は明日の歓迎パーティで行われるから今日は、気楽にしているといい。分からない事があれば僕や、緑の腕章をつけている生徒に聞くといい。生徒会の役員をしている者達だ」
そう言うリハルトも腕章をつけていた。
そして、寮長であるリハルトは、四人を早々に席につかせると自分も席に着き、食事をとった。
最後に現れた美しい新入生達にほかの生徒達は、ちらちらと視線をむけていた。
よほど気になるらしい。
ダンはともかく、ジルもリミィもフィリアも殊の外美しく、周りの注目を集めていた。
そして寮で初めての晩餐を済ませるとリハルトに各自の部屋へと案内された。
男子寮と女子寮は西と東に別れており、ダンとジルはリハルトが引き続き案内し、フィリアとリミィには、女子寮の寮長でリハルトと同じ学年のローナが案内を任された。
「初めまして、ローナよ!ここでは共同生活で大切な協調性などを学んでもらえると嬉しいわ!それにしても綺麗な子達ね。入学おめでとう。さぁ、案内するわね」ジャニカやラフィリアには見かけないような緑色の髪とエメラルドのような緑の瞳の先輩が優しく声をかけた。
「「ありがとうございます。宜しくお願いします」」
息ぴったりで答える二人にローナは好感を持ち破顔した。
「まぁぁ、可愛い!早速、仲良しなのね?良かったわ!」
「「はいっ」」
返事まで重なり、三人は、ぷっと笑い合った。
優しそうな先輩に二人も笑顔になった。
そして、明るいはきはきとした感じのローナ先輩は手際よく二人に寮の規則を伝えながら部屋に案内した。
部屋は各自一人ずつの部屋で、長い廊下を挟んでリミィとフィリアの部屋は向かいあっていた。
二人のあまりの仲良しぶりにローナは笑いながらも
「仲良しでもお話に夢中になって消灯時間を超えてまで喋ってちゃダメよ?消灯時間以降は見回りもありますからね?八時には必ず自室に戻る事!」と二人に釘をさした。
「「は、は~い!」」
二人は顔を見合わせ苦笑いした。
さすがはローナ先輩!お見通しのようである。




