公爵令嬢リミアからみた家族
私はリミア・ラフィリアード!
ラフィリアード公爵家の長女ですわ。
もうすぐ七歳になりますの!
父はこの国の三将軍の一人で王都を守っておりますわ。
漆黒の髪がとっても渋くて恰好良いのですが、父のほっぺたには大きな傷がありますの。
見る人によっては凄く恐ろし気に見えるらしく諸外国からは、鬼将軍とか悪魔将軍とかとんでもない言われ様です。
けれど私や家族にはメロメロで、ものすご~く優しいお父様です。
それにそんな恐ろし気な傷もお母様に言わせると『男らしくて素敵!』なのだそうです。
私もそう思います。
ちなみに母である公爵夫人は、この世界にある『月の石』に宿る精霊たちの主で『現存する女神』とも呼ばれております。
娘の私が言うのも何ですが、母はさすが女神と呼ばれるだけあるというか何というか、物凄く綺麗でしかも可愛くてお母様と言うよりお姉様と呼んだほうが、違和感がないのではないかしらと思うほど若々しい超絶自慢のお母様です。
身内びいきですって?
とんでもございませんわ!
ええ、もう一目見ていただければ誰もが納得する美しさですの!
たなびく金の髪はキラキラと肌は透き通るように白く瞳は湖のように美しい碧色です。
ああ、こんな拙い言葉では伝わりませんわね!
周りの大人達には賢いと言われていても所詮、子供の自分のボキャブラリーでは限界があるというものです!
それほどジーンと私のお母様は綺麗で可愛いのです!
しかも優しいのですよ!
どうです?凄いでしょう?素晴らしいでしょう?
ただし、(ここ大事!)怒らせたら鬼将軍とか呼ばれているお父様よりも怖いです。
一度、私と双子の弟ジーンが他国からきた間者?悪党どもに攫われそうになった事がありましたが、なんとその時、一番に駆けつけ、悪党どもをちぎっては投げして叩きのめしたのは女神と呼ばれる母でした。
あの時の悪党どもに向けた闘気?殺気?憎悪のようなものは、はっきり言って悪党たちよりもずっと怖かったです。
思いだしても背筋が凍りつきそうです。(ぶるぶるがくぶる)
「この、腐れ外道どもっ!私の命より大事な子供達を攫おうだなんて、命が惜しくないようね」そう言った母の活躍はすさまじかった。
公爵夫人とも思えないような単語も飛び出し、私もジーンもそれはもう驚いたものです。
悪党どもは一瞬で投げ飛ばされて自分に何が起こったかも分からなかったでしょう。
まぁ、そんな感じで優しいけど、強くて怒ったら物凄く怖いお母様とお仕事(将軍職)では怖い(らしい)けど家族にはいつでもすご~く優しいお父様と私と一緒に生まれたジーンが私の大切な家族です。
ジーンは、お父様譲りの漆黒の髪と深い深い紺色の瞳をしています。
男の子なのに綺麗で可愛いです。
口数は私より少ないし人見知りも私よりするけど、そんなところもほっとけない愛しい弟なのです。
あ、私ですか?
私は…普通ですよ?たぶん…。




