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フィリアの婚約破棄-08 船旅最後の夜に

 船が目的地のタイターナに着く前夜、双子たちは、リンに頼んでハンスに御伺いを立ててもらい三人は最後の夜を共に過ごすことにした。


 ダンは一人になるが、元々フィリアとは部屋もハンスを挟んで別々だし、フィリアに対しての化け物あつかいな言動もかわらなかったのでフィリアの態度も比例してドライになっていた。

 自分でも卑下していた傷痕も無くなったのだから当然の結果である。


「じゃあ、どうぞ、お一人でのんびりなさって下さいませ!私など近くにいない方がよろしいでしょう」と、言い放ちフィリアは、意気揚々と、ジルやフィリアの所にやってきた。


『馬鹿坊っちゃま』のダンはとりあえず、放っておくことで三人の意見は合意していた。


 少なくともダンへの罪悪感が無くなって、フィリアは踏ん切りがついたようで、ハッキリ自分の気持ちが言えるようになってきていた。


 そんな様子にジルは内心、よしよしと、まるで保護者のように満足していた。


 さて、三人で明日、学園に着いてからの打ち合わせもしなければならない。


 ダンの方は、おおむね想像通りの感じで問題なく婚約破棄できた。

 次は、フィリアが本当に慕うリハルトの気持ちを確認したいところである!


 三人があーでもないこーでもないと盛り上がっている時だった。

 双子達の月の石がぽうっと光りだした。


「「あ!」」と二人が慌てた。


 フィリアは、月の石が光るのをみて驚く。


「え?えっ!何?光ってる」


「「あちゃ~」」


 フィリアに、またまた月の石の不思議を見せてしまったことにジルとリミィは、若干、焦った。


「うん、ごめん、僕たちの母様からの通信だ」

「うん、そうなの、ごめんなさい。ちょっとだけ待っててね?」とリミィとジルは席をはずし、隣の部屋に移った。


「う、うん、わかったわ」

 そう言って、隣の部屋に行く二人を見送りながらもフィリアは驚きまくりである。

(通信って…月の石って…蓄音交魔石のような事まで出来るの???私の傷も治したし…どれだけ凄いの??)と思う。


 そんな石を持ってるリミィとジルってば一体?と首を傾げまくるフィリアである。


 レディとしてはあるまじき事だがついつい隣の部屋に聞き耳をたててしまうのも仕方ないだろう。

 まだ十歳!好奇心旺盛なのは当たり前なのである。


 そんな石を持っているジルとリミィ、そしてどうやら、二人のお母様も石を持っているらしい?

 そんなに伝説の石がゴロゴロあるものなのかと訝しむのだった。


 一方、ジルとリミィは焦っていた。

 昨日の夜、通信した時に母のルミアーナには船旅最後の夜をフィリアと三人で過ごすから、通信してこないでねと事前に言っていたにも関わらずの通信だった。

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