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19 説明・・・思ったよりも根は深かった?

今話からしばらく病気に関わる話になります。


まあ、私の病歴というか・・・。


興味がない方はしばらく飛ばしてください。

でもさ、一言言いたいことがあるのさ。私、伝えたよね!

ということで・・・。


「だからって先生、めまいの副作用がある薬を処方するのはひどいです」

「それも説明しただろ、池上。珍しい体質のお前が了承したから処方したんだぞ」


孝一・・・先生がそう言ってきた。思わず睨みつけたのは悪くないと思うのよ。


「お前な、今回は悪かったと思うけど、今までどれだけ口説いてもいい返事をくれなかったのに、やっといい返事が聞けたんだぞ。すぐに試してみたくなるじゃないか」

「口説くってなにさ。普通にしてても目が回る辛さが孝一に解るか!」

「だけど、親父が調べて薦めてきたんだぞ。話しを聞いたら研究してみたくなるだろう」


・・・おっちゃん先生~!


「ああ~!何よそれ」


つい、低い声が出た。ついでに半眼になって睨みつけた。

そうしたら飯尾先生、栗田先生、戸塚先生が少し体を後ろに引いていた。


「だから、一から説明するから。今回の症状の始まりは小6の時だぞ」


小6?・・・え~と、そんな前から?・・・って。

あれか?扁桃腺が腫れたあれ!


「池上は小6の時に病気した事を覚えているか」

「小6の時・・・は、4月早々に熱を出したんだよね。最初39度近くあって、三島先生のところに行って薬を貰って・・・。でも、その薬が合わなかったのか、他の原因があったのか知らないけど、1週間経っても熱が下がらなかったのよ」

「その時の体温って覚えているか」

「たしか、朝は37度ちょいなんだけど、昼過ぎには38度近くまで上がったかな。それで、あまりに下がらなくておかしいから、祖母がよくかかっていた松田先生のところに行ったの。そこで処方された薬が効いて3日後には学校に行けるようになったのよね」

「その時何か言われなかったのか」

「えーと、あの日は朝、先生に診てもらって、母もついてきて・・・たしか・・・ん?・・・あれ?・・・その、間違いでなければ、肺炎になりかけたと言われたような」

「それはなりかけたんじゃなくて、軽い肺炎になっていただ。レントゲンにも写っていたそうだぞ」


・・・おい。いや、疑問は口に出すか。


「・・・だからなんで孝一がそんなこと知っているのよ。おかしいじゃない」

「だから言っただろう。もともとは親父が調べていたんだよ、お前の病状を。松田先生が廃業された時に、患者のカルテも譲り受けたそうだ。それで、松田先生から移ってきた患者の病歴をある程度は把握してたんだよ」

「いや、だからってさ」

「まあ、聞けよ。お前が親父のところに来たのは22歳の時だろ。最初は祖母の付き添いだったよな。親父はお前が帰った後に、松田先生に貰ったカルテを見てみたんだよ。そこである事に気がついたのさ。親父が言うには松田先生のカルテだけだと、池上が右扁桃腺肥大になった経緯がわからなかったんだってさ」


えっ?扁桃腺肥大症の経緯がわからない?


「なんで。私、この時のことが原因だと思っていたのに・・・」

「それが違ったようだ。右扁桃腺肥大のことはその後、9月に書かれていた。それも気がついたのは別の医師だったぞ」


9月?えーと、待って、あの年はいろいろな病気になったけど・・・。


「それじゃあ池上、4月以降にかかった病気は判るか」

「夏休み前に「ものもらい」になって眼科にかかって、夏休みが終わる直前に「中耳炎」になったけど・・。ねえ、まさか中耳炎のせいで扁桃腺肥大症になったなんて言わないよね」

「それについては何とも言えないのが現状だよ。何と言っても時間が経ちすぎているからな」


確かにそうだけど。でも、それじゃあ本当に孝一が言うように?


「それで、眼科と耳鼻科。それぞれのことを覚えているか」

「眼科は覚えてない。バスで野島医院に行ったのは覚えているけど。耳鼻科は鎌田先生が怖かったかな」

「なんか余計な事してただろう、池上は」

「そうじゃなくて、先生の話し方が大きな声で怒鳴っているような話し方だったからよ。でも、丁寧に話を聞いてくれたことは覚えてるわよ」


うん。大きな体で厳つい顔の鎌田先生。私の前に5~6歳の女の子を診て、その子に診察後「えらかったな」って声を掛けて、イチゴ味の飴をあげていたのよ。やさしい先生だったな。


「その鎌田先生が扁桃腺肥大に気がついたんだよ。お前の母親と話して松田先生に説明の手紙を預けたんだ」


えー?・・・待って、待って!


「ちょっと待って。なんか思い出したかも。・・・そうよ、耳鼻科のあと、いつもと違うバス停で降りて松田先生のところに行ったのよ。私の診察をした後、先生とお母さんが話していて・・・。あの時か!」

「多分その時なんだろうな。池上はその前は松田先生にかかっていなかったんだろう」

「そうよ。私は小さい頃は田中先生にかかっていたのよ。田中先生が急に体調を崩されてやめられたから、あの時三島先生にかかったのね」


言ってから気がついた。

私が受けていた扁桃腺肥大症の説明では、松田先生からじゃわからないわけだということに!


「気がついたか池上。そうなんだよ。扁桃腺肥大の病歴を追いかけるんだったら、お前が小さい時、それも幼稚園辺りまで遡りたかったわけだ」


孝一先生が腕を組みながら重々しく言ったのでした。


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