女神の寵愛の証
自分で何書いてるのかわけわからなくなってきちゃいました。
「攻撃が止まったな」
「みんな、今のうちにポーション飲んで」
「了解です」
HPは自動回復があるからいいとして、MPはポーションを飲まないと回復しないからね。
大天使はMPが多いから、魔法をいっぱい使ってもなかなか無くならないからMP管理が結構楽かも。しかも、称号効果でレベルが低い魔法も強化されてるから全然MPを消費しないっていう。女神様たちに感謝です。
「攻撃が止まったっていうか、そもそも動いてすらないな」
「息してる?」
「なんというか、糸が切れたマリオネットみたいな・・・」
「聖霊様に操られていたけど、接続が切れたのかな?」
身じろぎすらしなくなった魔獣たちを見て、意見を言い合う。
多分、みんなが言ってることは合ってると思うんだよね。
さっきまで、魔獣たちの唸り声とか悲鳴とかでうるさいくらいだったのがまるで嘘みたいに静かだ。怖いくらいに。
「というかどうすればいいんだ、これ?」
「どうって言われてもなあ・・・」
「決まってるでしょ、聖霊様の所に行く」
「確かにそれしかないが、場所が分からん」
確かに聖霊様の森は北の森のどこかにあるということしか分からなかった。
下調べをしようかと思ったけど、時間が足りなかったことと聖霊様を刺激することを避けようと思ったからしなかった。
でも、多分場所は分かると思う。
「聖霊様の場所はもしかしたら、この鍵が知ってるかもしれません」
インベントリから、鍵―――女神の寵愛の証を取り出した。
確証はないけど、聖霊様のいる場所へ導いてくれる気がする。女神様たちの力が込められた鍵だものね。きっと力だけじゃなくて、女神様たちの思いも込められてるはず。
それを裏付けるように、鍵が淡く輝く。
「なんだ、この鍵は」
「・・・サウス湿原のエリアボスを倒したら、初討伐報酬でもらいました」
間違ってはない。手に入れたのはそこだし。
そのあと、鍵の名前が変わったけど。
鍵はひとりでに浮き、私たちを導くかのように森の中を進み始める。
聖霊様の事について書かれた本を図書館で見つけた時みたいに。
「追いかけましょう」
「あ、おい!」
「ガンテツさん、あの鍵がなかったら私たちは今ここにいないんです。聖霊様の事を教えてくれたのは、あの鍵なんです。信じて着いて来てください!」
「最初から、そのつもりなんだが・・・。それにしても、あの鍵は何だ?」
鍵を追いかけながら、説明する。
初討伐報酬でもらった鍵が、女神様達にあった後、名前が変わったこと。
どうやら、女神様たちの力が込められているということ。
その鍵が、聖霊様のことについて書かれた本を図書館から見つけてくれたこと。
そして、この鍵が封印の森に入るための許可証になっているということを話した。
「はぁ~・・・。つまり、この鍵がなかったら今頃ワールドクエストしか発生してなかったってことかよ」
「なるほどね。これがないと、特殊クエストをクリアしたくてもヒントすら手に入らないっていうことか」
ガンテツさんもヴァイスさんも驚いてる。
・・・ちゃんと、運営に調整されると思いますよ?こんな一人ばかり優遇されてるような状況はおかしいからね。
「僕は、そうは思わないけどね」
ハナミズキがボソッと言った。
「どういうことだ?」
「あくまで僕の考えなんだけどね。多分、お姉ちゃんが鍵を手に入れて女神様たちと出会って、クエストに必要なフラグを全て踏んだからこそワールドクエストも発生したんだよ。特殊クエストも発生するのは、確定だったんだ」
「つまり?」
「お姉ちゃんが鍵を手に入れなかったら、そもそもワールドクエストすら発生してない。他の人がしたことも原因の一つだとは思うけど、今回はたまたまお姉ちゃんが踏んだフラグが多かっただけだよ。多分、本来は何人かの人が踏むフラグなんだよ」
「例えば?」
「鍵を手に入れる、女神様たちと会う、本を見つける、とかかな」
「なるほど」
「だから、お姉ちゃんだけが大天使だからとか、贔屓されてるとかそういうのじゃなくて、本当にたまたまなんだよ。初討伐報酬に鍵が出たのも。他のもそうなんだよ」
・・・なるほど。
「別に、今回の事は使命とかそんなんじゃないから気負わないでね」
「うん」
鍵はまだ、森の中へと進む。
読んでいただきありがとうございます。
これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。よろしくお願いします。
つまり、私が言いたいのは他の人がフラグを踏んでいたら他の人が特殊クエストをしていたかもしれないという未来があったということです。鍵を持っている人と、女神様たちとあっている人、その他のフラグを踏んでいた人が別だったらもっと参加人数は多くなったと思います。今回は桜が全部踏んだだけで。
ちゃんと、桜が踏まなくてもワールドクエストは発生します。ゲームですからね。




