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Eternal World Online ~のんびりVRMMO日誌~   作者: はらみ
第一章 「カーネーションをあなたに」
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現実逃避で現実逃避


「あ、そうだ。ポーション作ったので、使ってください」



インベントリから、ポーションを出して渡す。

出発してから、渡すものではないけど。忘れてた。戦闘になる前で良かった。

ポーションだけでなく、ヒスイ作のMPポーションも渡す。



「ありがとう、ポーション不足なのにいいの?」

「大丈夫です。自分でたくさん作りましたので」

「一緒に素材を集めて作ってもらったんだ!」



自慢げなハナミズキ。かわいい。

でも、作ったのは私だからね。威張ることじゃないんだよ?



「・・・おい、なんだよこれ」

「回復量少なかったですか?」

「違う。高品質で、かなり回復する。というか突っ込みたいのは、そこじゃねえ」

「じゃあ、なんですか?」

「MPポーションなんて初めて見たんだが?」

「・・・僕が見なかったことにしたやつー」

「ヒスイ―――私の従魔が作ってくれたんです」



ヒスイはすごいからね。

もしかしたら、まだプレイヤーの作れないものも作れるのかもしれない。

ちょっと気になる。



「従魔が!?ウソだろ」

「ウソじゃないですー。本当ですー」

「お前が作ったんだろ」

「ちーがーいーまーす。レベルが足りないので、そもそも作れません」



子どもみたいな会話をしながらも、警戒しながら進む。

にしても森の中って、光が差し込まないから結構暗いよね。

気がうっそうとして、不気味。昔のヨーロッパの人が、森を恐れていたっていう話を聞いたことがあるけど、今ならその気持ちが分かる。怖い。



「じゃあ、まじでこのスライムが作ったのかよ」

「そうですよ」

「!!」(そうそう!)



ガンテツさんが信じられないような目で、ヒスイを見てますが事実です。

ヴァイスさんはこの言い争いの間、ヒスイで遊んでいた。

その、びよーんて伸ばすのはやめてあげてください。痛覚がないとしても、見てるこっちがはらはらします。なんか千切れちゃいそう。二つに分かれたらどうしてくれるのか。

まあ、ヒスイは楽しそうなので見守るが。良かったね。



「それにしても、全然魔獣が出てこないね」

「ああ、覚悟してきたのに拍子抜けだな」

「街の方にもういるのか」

「それとも、聖霊のもとに集結しているのか」



どっちかな。

どっちもありそうなんだよね。



「どっちだと思う?」

「俺は、街のほうにいると思う」

「僕は、聖霊の所かな。なんか、魔獣に指揮してそうじゃない?」

「僕も街かなぁ。・・・お姉ちゃんは、どう思う?」

「私?・・・ん~、両方?」

「「「え?」」」

「少なくとも、聖霊様の所にはいると思うんだよね」

「その根拠は?」

「前方をご覧ください」



目の前に広がる光景は、一面の魔獣、魔獣、魔獣、魔獣・・・。



「げえ」

「見ないふりしてたのに・・・」

「わあ、すごい」




全員、遠い目をしてますが現実に戻ってきて。

というか、現実逃避の世界で現実逃避をしないでください。とんでもない状況なのは分かるからさぁ。



『『『グルァァアアアア』』』



さあ、やろうか。


読んでいただきありがとうございます。

これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守ってください。よろしくお願いします。


いよいよラストぉ

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