調薬デスマーチの準備
リリーナ草ってどこで採取したんだったかなぁ。
そもそも書いてないのか。
どうしたんだっけ。どなたか、覚えてるよという方、教えてください。
モギモギ草、モギモギ草、モギモギ草、リリーナ草、モギモギ草、リリーナ草。
モギモギ草モギモギ草モギモギ草モギモギ草モギモギ草モギモギ草モギモギ草モギモギ草モギモギ草モギモギ草モギモギ草モギモギ草モギモギ草モギモギ草モギモギ草モギモギ草・・・・
「ねえ、まだ採取するの?」
「うん。僕、知り合いの住民結構多いから。・・・ダメだった?」
「ダメじゃないんだけどね、たくさん取ったからインベントリがいっぱいになっちゃったの。これ以上は入らないし、あんまり取ると生態系が崩れちゃうよ」
「そうだね。・・・・もうちょっとだけとってもいい?」
「取り過ぎに注意するならね。でも、あともうちょっとで夜になっちゃうから早めにね」
「はぁい」
・・・ハナミズキの採取はまだまだかかりそうだね。優しいからね、ハナミズキは。普通は自分の分だけ手に入れようとするのが人間なのに。それを仲良くなった人に配ろうだなんて、きっと配られた人は感動するだろうな。うん、私だったらするもんね。ポーション不足の今、自分だけでなく他人を思いやれるハナミズキは、とてもすごい。この子は私より年下なのに、しっかり考えてるなぁ。
それにしてもポーション不足を引き起こしたプレイヤーはそういうことが考えられない人間なんだよね。この状況が続く、もしくは悪化するときっと始まりの街で住民がプレイヤーを弾圧しだすかもしれない。いまはマイナーな意見だとしても、メジャーな意見になってしまうかもしれない。気をつけないといけないなぁ。
「お姉ちゃん、見てー」
「何ー?」
「花冠作った」
「おお。すごいね、綺麗にできてる。かわいいね」
ハナミズキが見せてくれたのはとてもきれいな花冠。
黄色や白、ピンクなどの色とりどりの花が組み合わせて作られている。
すごい、上手。
現実で作ったことないはずなのに、このクオリティ。何この子天才?
「あげる!」
「いいの?」
「うん、もらって。お姉ちゃんのために作ったから」
「ありがとう。とっても大切にする」
「どういたしまして」
「頭につけたいけど、萎びそうでやだなぁ」
「うーん、確か頭に着ける装飾品は大丈夫だったはずだよ」
「あ、そうなの?・・・じゃあ、つけてようかな」
鏡がないから分からないけど、結構似合うのでは?
まあ、ハナミズキが私のために作ってくれたものだし似合って当然だよね。
「似合ってるよ、お姉ちゃん」
「ありがとう。・・・これを作ってたってことは、採取はもういいの?」
「うん」
「意外と早く終わったんだね。もうちょっとかかるかと思ってたのに」
「僕も思ってた。だけど、なんか≪採取≫にアーツが追加されたんだ。そのアーツを使ったら、あっという間に集まったんだよね」
「へぇ、なんていうアーツ?」
「えっと、【広域採取】ってやつ」
「すごいね」
「僕、戦闘に出るたび採取してたから結構レベル上がってたから。今までアーツなんて出たことなかったんだけど。採取のアーツはもしかしたら、これだけかもね」
「そうなんだ。私も頑張ってあげないと」
「頑張れお姉ちゃん」
「おうともよ!・・・そろそろ帰ろうか」
「そうだね。日が暮れる前に」
「門番のお兄さんが心配する前に」
「もうしてると思うけど」
「・・・じゃあ、これ以上心配する前に」
そう言って、二人で顔を見合せて笑う。
誰かが傷つくのは見たくない。だから、ポーションをたくさん作ろう!
ハナミズキができない分も、頑張ろう。ヒスイともに。
さあ、街に帰ろうか。
調薬デスマーチが待ってる!
読んでいただきありがとうございます。
これからものんびり更新で頑張りますので、温かく見守って下ださい。よろしくお願いします。
もし、こんなキャラ名、薬草、魔獣など使って欲しい名前や設定があったら教えてください。
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≪採取≫にアーツが追加。
【広域採取】
Lvが10台で手に入るものではないのだ。




