語順を意識してみよう
はじめに
本作はあくまで、「なろうで執筆を始めてみた初心者」が迷った際の情報まとめとして書いています。
私自身は文系では無いので、文系バリバリの方には劣ります。
なのでマサカリはやめて下さいね。
心をおおらかにしてお読み頂くか、無理そうならブラウザバックをお願いします。
こんにちは、あるいはこんばんは。
私自身が苦手で分不相応なのですが、今回は語順について取り上げてみたいと思います。
私なりの解釈なので間違っている可能性もありますが、一つの考え方として受け取って頂ければと思い、取り上げました。
同じように苦手としている人の何かの気付きに役立てば幸いです。
───お品書き
・お題と読点の重要性
・語順の感じ方について
・主語不在の場合の暗黙の補間
・処理順と一人称視点の受け取り方
・末尾の装飾が重要
・同綴異義語のケース事例
・読みを迷わせない語順
・さいごに
───お題と読点の重要性
今回は次のお題を元に掘り下げていきます。
「胸にチクリと棘を感じて曖昧な笑みを老婆に返す」
この文のままでは何が重要なのかが分かりにくいですよね。
ですので読点を「感じ」の後に入れて整理します。
読点で区切った前半分を今回のお題として用意しました。
①胸にチクリと棘を感じ、曖昧な笑みを老婆に返す。
②胸に棘をチクリと感じ、曖昧な笑みを老婆に返す。
③棘をチクリと胸に感じ、曖昧な笑みを老婆に返す。
④棘を胸にチクリと感じ、曖昧な笑みを老婆に返す。
⑤チクリと胸に棘を感じ、曖昧な笑みを老婆に返す。
⑥チクリと棘を胸に感じ、曖昧な笑みを老婆に返す。
このように読点で区切ることで読点の前が「視点主がどう感じたのか」と分かり、読点の後が「視点主の行動」と整理できました。
───語順の感じ方について
前項の①~⑥だと、どれがもっともしっくり来ましたか?
今回は読者に読み取らせたい内容で変化するので、明確な答えはありません。
慣れ親しんだ語順の傾向で、受け取る自然さが変わる程度のものです。
ですが読点で区切られた範囲は明確に違いがあります。
読点の前は「感じ」でどう受け取ったのか、後は「返す」という行動です。
日本語は基本的に文の最後で決まります。
現在形なのか過去形なのか、否定文なのかは文の最後になっているためです。
よって今回のケースでも区切られた範囲で一番最後にある「感じ」と「返す」が重要になっています。
───主語不在の場合の暗黙の補間
今回の例題は敢えて主語を省いています。
その時点で一人称視点を想定して読み進めますが、読み手は無意識の内に主語を埋め込んで読んでいます。
今回のようなケースでは冒頭に補間して読むのが一般的な感覚かと思われます。
冒頭以外の場所として読ませたい場合は省略せずに書くことを推奨致します。
よって主語を埋めると以下になります。※読点の後は省略。
①私は胸にチクリと棘を感じ
②私は胸に棘をチクリと感じ
③私は棘をチクリと胸に感じ
④私は棘を胸にチクリと感じ
⑤私はチクリと胸に棘を感じ
⑥私はチクリと棘を胸に感じ
───処理順と一人称視点の受け取り方
主語を明記したことで視点主がどう感じたのかというお題だと整理できました。
次に処理順の話となります。
A.「私は胸に」
B.「私は棘を」
C.「私はチクリと」
上記3つが冒頭ですが、それぞれ読者が最初に何を処理するかが変わります。
「私は胸に」→何か心に響いたことを先に把握し、その理由に続きます。
「私は棘を」→攻撃性の認識が先にあって、その理由が続きます。
「私はチクリと」→言いようのない僅かな痛みや引っ掛かりが先に立ち、それがどういったものかに続いていきます。
───末尾の装飾が重要
読点の末尾に「感じ」とあるため、何をどう感じたのかの重要なものを近くに置くのがベターかと思われます。
その観点で整理すると以下の3つ。
α.「胸に感じ」
β.「棘を感じ」
γ.「チクリと感じ」
「胸に感じ」→視点主の心に響いたことを重視。
「棘を感じ」→事象・出来事を視点主が認知したことを重視。
「チクリと感じ」→認知はしたが重要視していない。又は重要視したいと視点主が考えていない。
このように、その前までの文脈を視点主がどう感じたのかに関わってきます。
───同綴異義語のケース事例
ここまでの例題は、そう読み取らせることもある程度でした。
ですので同綴異義語の読みを題材にもう一つ深掘りしてみたいと思います。
「本当にここは人気が無い」
パッと見で「にんき」か「ひとけ」かは迷うと思います。
では、情報を足して見ます。
「長年愛用させて貰っているライブハウスなんだが、本当にここは人気が無い」
まだ迷います。普通に読めば「ひとけ」でしょうか。
では、さらに情報を足します。
「長年愛用させて貰っているライブハウスなんだが、本当にここは人気が無くてパー券をさばくのに苦労する」
これなら「にんき」と解釈できそうです。
次に「ひとけ」と解釈できる情報を足して見ます。
「長年愛用させて貰っているライブハウスなんだが、本当にここは人気が無くて何やら怪しそうなブツの取引まであったりする」
上記は「ひとけ」と読むのが自然かと思います。
───読みを迷わせない語順
前述の例題では「人気」の文字が出た時点ではどちらとも読める状態でした。
これを語順で読みを迷わせないようにしていきます。
「長年愛用させて貰っているライブハウスなんだが、パー券をさばくのに苦労するほど本当にここは人気が無い」
「長年愛用させて貰っているライブハウスなんだが、何やら怪しそうなブツの取引まであったりするほど本当にここは人気が無い」
今回は単純に入れ替えただけですが、これならば「人気」の文字に辿り着くときにはどちらで読むかが整理できています。
同綴異義語は他にも「出所」などがあります。難しい読みを迷わせない語順に工夫したいものですよね。
───さいごに
推敲作業で語順を入れ替え続けていると、何が伝わりやすいのか混乱することもしばしばです。
非常に難しく、私も常に迷っています。
本エピソードの内容が、読者へどう伝えたいのかを見つめ直すキッカケになれば嬉しく思います。




