並列の接続助詞について
はじめに
本作はあくまで、「なろうで執筆を始めてみた初心者」が迷った際の情報まとめとして書いています。
私自身は文系では無いので、文系バリバリの方には劣ります。
なのでマサカリはやめて下さいね。
心をおおらかにしてお読み頂くか、無理そうならブラウザバックをお願いします。
こんにちは、あるいはこんばんは。
小説家になろうで作品を読んでいると作者の癖なのか、同じ言葉を頻繁に繰り返しているケースに遭遇します。
自分では中々気付きにくいものですよね。
今回は並列の接続助詞にフォーカスを当ててみたいと思います。
───お品書き
・本人は気付いていない多用フレーズ
・見つけ方の例
・並列の接続助詞を簡単におさらい
・安直な置き換えは大丈夫?
・タイミングの性質を意識して利用
・タイミングによる立体表現
・思い切って接続助詞の削除も検討
・さいごに
───本人は気付いていない多用フレーズ
これは私の実体験でもありますが、読者に指摘されるまで気付きませんでした。
私は執筆当初、伝聞や推定などの助動詞は「らしい」を多用し、並列の接続助詞は「ながら」を多用していました。
処女作では主人公を無知な設定にしたことも相まって、「らしい」は乱立されている状態です。
指摘された時には、既に大量のエピソードを投稿済みでした。
作者としては、指摘される前に気付きたいものですよね。
今回のエピソードがそのキッカケになれば幸いです。
───見つけ方の例
目で見て、読んで気付くのは大変難しいです。
ツールや機能などを活用していくことをオススメします。
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・テキスト検索
・テキスト読み上げ
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テキスト検索は確実な気付きを得る方法の一つです。
読んで自然に思えた文章でも、検索すると「何件」と明確な答えが出ます。
テキストエディタによっては、検索ワードを入れると該当箇所がハイライト表示されるものもあるので、それらの機能を用いればより簡単に見つけられます。
テキスト読み上げも有効なアプローチの一つです。
先にテキスト検索で件数が多いのを自覚した上で、そのフレーズを意識して聞いてみてください。
短時間で頻繁に繰り返されると、引っ掛かりを覚えたり、くどく感じたりします。
そのように感じたときは言い換えを検討する目安として活用できます。
※私はプログラミング(GAS)を利用して多用フレーズを抽出しています。プログラミングが得意な方は検討してみても良いかも知れません。
───並列の接続助詞を簡単におさらい
今回は並列の接続助詞について取り上げたいと思います。
大雑把には「ながら」「つつ」「まま」などを指します。
あまり意識せずに使われている作者さんもいるかも知れません。
私も執筆を始めた当初、意識してはおらず、シーンを思い浮かべて描写したら自然に出てきていました。
そういった作者さんは他の小説や他のメディア媒体で自然に刷り込まれた接続助詞を使っているかと思います。
そのため、本人にとっては自然と思えるフレーズに仕上がるので、他人から指摘されるまで中々気付けない問題もあります。
───安直な置き換えは大丈夫?
気になるからと言って、むやみやたらに言い換えを当てはめれば良いというものでもありません。
並列の接続助詞それぞれの使用例を示します。
例①:
A「作業の手を動かしつつ、強く頷いた」
B「作業の手を動かしながら、強く頷いた」
C「作業の手を動かしたまま、強く頷いた」
例②:
D「父さんは欠伸をしつつ部屋から出てきた」
E「父さんは欠伸をしながら部屋から出てきた」
F「父さんは欠伸をしたまま部屋から出てきた」
接続助詞の後は現在の瞬間の切り取り、接続助詞の前は接続助詞によってタイミングが変化します。
───タイミングの性質を意識して利用
描写のタイミングは以下の通りです。
つつ :動作に入る直前、又は入り始め。
ながら:動作に入っている。
まま :動作に入って暫く継続した後。
前項の例②で解説します。
Dは部屋から出る直前か、出ると同時に欠伸を開始。
Eは部屋を出る前から欠伸を開始して、出終わってから欠伸が終わる。
Fは部屋の中で欠伸を済ませ、口を開けたまま部屋から出てきた状況。
微細な違いですが、タイミングは明確に違います。
同じ表現を多用するとタイミング描写がいつも同じになってしまうので、性質を把握した上で上手く使い分ける必要があります。
───タイミングによる立体表現
なお、Fの表現は若干違和感を覚える人もいるかと思われます。
G「父さんは大きく口を開けたまま部屋から出てきた」
一人称視点であれば上記の方が適切なためです。
ただ、「欠伸をしたまま」と言う表現の持つ効果として、仕草だけでなく音(聴覚情報)もセットになります。
このケースだと部屋の中で父さんの欠伸の声が聞こえ、部屋から出てきた際に大きく口を開けていたのを目撃。
そこから客観事実と推察含みの「欠伸をしたまま」と言う描写になります。
欠伸の声の距離感も短い文で演出できます。
少ない文字数で、読者へ多くの情報を自然に想像させる手法として有効です。
───思い切って接続助詞の削除も検討
例①を元に削除例を示します。
「作業の手を動かし、強く頷いた」
読者にとって並列の重要性がない部分は、省いても成立します。
描写の具体性はやや薄れますが、スッキリした分、他の要素に読者の認知リソースを割くことができます。
この削除例は「手を動かす」と「頷いた」は並行として認知され、タイミングは読者の想像に委ねる形となります。
物語にとって重要度が低い部分は、読者の想像に委ねてしまうのもアリだと思います。
───さいごに
何か参考になったり、新しい発見があったりしましたでしょうか?
本エピソードがより良い言い回しを模索するキッカケになれば嬉しく思います。
貴方の創作活動の改善に繋がれば幸いです。




