そばにいたいと願った理由
翌朝。
アメリアが目を覚ますと、
窓辺に置いたクッションの上でアレックスが小さく丸まっていた。
「……うん……?」
アレックスはゆっくり目を開け、
アメリアに気づくと、少しだけ照れたように頬を赤くした。
「……ごめん……寝ちゃった……」
「いいよ!そのために呼んでくれたんだし!」
アメリアは笑いながら、
アレックスの髪を軽く整えてあげた。
アレックスは目を細めながら、
ぽつりと呟く。
「……アメリアって、すごい。
なんでそんなに優しいの……?」
「優しいっていうか……アレックスには笑っててほしいからだよ!」
アレックスは少し考えてから、
小さな手を握りしめて言った。
「……僕も、アメリアに……優しくしたい。」
アメリアは目をぱちくりさせた。
「アレックスが優しいのは知ってるよ。」
「ちがう……もっと……。
アメリアが困ったとき、助けられるくらい……」
幼い声なのに、
その言葉だけはじんわり深く感じられた。
アメリアは嬉しくなって笑った。
「うん、ありがとう。
……じゃあ、お願いごとしていい?」
アレックスは真剣に頷く。
アメリアは少し恥ずかしそうに言う。
「これからも、仲良しでいてね。」
アレックスは即座に答えた。
「……うん。絶対。」
それは幼い子ども同士の
“約束”
アレックスは金の紐を軽く握りながら頷いた。
「ずっと……アメリアの味方でいる。」
アメリアは胸の奥があたたかくなるのを感じた。
「じゃあ私も、アレックスの味方。」
ふたりは窓から差す朝日に照らされながら、
静かに笑い合った。




