51話 「呪印」
母さん、俺、わかったよ。本当に無くしたくない大切な存在、場所。
何となくだけどわかったような気がするよ。
こいつと出会ってわかったんだおれは。
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こいつ-------。普通に可愛いじゃん
幼い見た目の割に筋が通り大人らしい素顔
隆太はラピズの顔を思わず見とれてしまった。
「それがお前の素顔なのか?」
思わず隆太は口が滑ってしまった。
「ん?」
「嫌なんでもない」
隆太はラピズを持ち上げて肩に乗せる
「普通に歩いたら遅いだろうしこれの方が早くていいだろ。そーーれ!!」
隆太はラピズを肩車して走り出す。
「ほわわわわわ!!!!」
ラピズは思わず叫んでしまった
「ちょ!!ちょっとまってよおいてかないでょぉぉぉ」
理緒は慌てて二人を追いかける
そしてこの日から3人の生活が始まった。
ここからが3人で暮らす一日目の流れである。
3人で朝食を食べ3人で買い物に出かけ、釣りして散歩してとにかく普通の生活を心がけた(呪印の話は完全に忘れていた。どちらにせよどうにもならないから)なんていうか一人増えると生活というか何というかいろんな意味で変わるもんだなと思った。こいつは俺や理緒に穢れのない笑顔と無邪気な仕草を一日中見せ続けた。
コンビニでお菓子をねだる見た目相応の姿とその仕草。通りかかった公園でブランコに乗り無邪気にあどけない顔で遊ぶ。ソフトクリームを嬉しそうに食べるその仕草。どっからどう見ても普通な少女である。どうみても神様には見えなかった。
隆太はこの時不意に脳裏にノイズのような形で母さんの墓石を見つめるラピズの顔が映し出された。
何であの時のあいつの顔が?
............晩食を食べた後に問題が起きた
「.....風呂どうする?」
「わらわらは別に一緒に入ってもいいのじゃよ」
「い!!!いやそれは流石に」
この時、隆太は再び母親の墓石を見つめている時のラピズの顔を思い出してしまった。
幼い見た目の割に筋が通り大人らしい素顔
この時の彼女の顔が彼の脳裏に焼き付いてしまったようである。
「いや...さすがにまずいじゃんよ」
「そんなにわらわの事を魅力的に見てくれているのかや?~(にま~)」
.................
こいつの戯言に完全に言い任されてしまった。
俺は悪くない
悪くない 悪くない 悪くない 悪くない 悪くない 悪くない悪くない 悪くない悪くない 悪くない悪くない 悪くない悪くない 悪くない 悪くない 悪くない
「落ち着くなのぜ別にわらわは悪いとは思ってはいないなのぜ」
「いやお前がそう思ってても俺はそうもいかないの」
「結局、一緒に入っているのだからもう時効なのぜ」
そうなんだよ俺たち今普通に風呂入って一緒に湯につかってんだよしかもこいつおれの上に乗っかる形で
「呪印がどうにかならなければ今後もこうするしかないのだから諦めるしかないのじゃよ」
「お前は...このままでいいのか?」
「............」
「ずっとあの祠の中で生きて来たのだろ?自由に生きたいとは思わなかったのか?」
「わらわでもよくわからないなのぜ。だけど...二人には感謝しているなのじゃよ」
「そのなんだ......」
しばらく二人の間に無言の時間が続く
「まあ、なんだ俺でよければ力になるぜ...」
「多分、このままの状態なのじゃよ」
「それはそれで仕方がないだろ」
「理緒はどうするのじゃ?」
「あいつは馬鹿じゃないこの状況、ちゃんと理解しているだろうよ」
「お主にも人生というものが...」
「俺が構わないと言ってんだからそれでいいのわかったか?」
「........」
「そろそろ出ようぜ」
どう考えても解決策なんてないんだ考えても仕方ないんだ。
この時隆太は自分の事よりラピズがどうしたら幸せになれるのか考えていた。
あんな顔を見せられたらほおってはおけないぜ。
こいつはずっと一人ぼっちだった。
家に住む人間が一人増えるぐらい全く問題ないぜ
俺が少し我慢すれば問題ないんだ。
不意にまたあの時のラピズの顔が頭に浮かび上がってきた。
兄ちゃんに、人の事言えた立場ではないな俺は。
その夜、床に就き布団の中で隆太はある事を思い出した。
ああ..そういえば.......
明日は定期的な集会開く日で兄ちゃんとこの御屋敷に行く日だったか。
こいつの事みんなにどう説明するかな........
隆太の布団の中でラピズがすーすーといびきをかきながら寝ている
隆太の脳裏にまたあの時の彼女の顔が浮かんでくる
おまえは何も悪くないんだ
熟睡するラピズを隆太はギュッと抱きしめた




