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Never Island  作者: 阿久津ゆう
4章 偽りの時間とホムンクルス
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44話 決断の時へ

 理人たちは無事に回復処理を施す装置を無事に持ち帰る事が出来た。

理人と隆太は軽い低体温症を患っていたが命にかかわるほどの症状では無かったようですぐに回復した。


 理人の計算上では二人を別々に装置に入れ1日に1度の処置を施し続ければ普通の生活を問題なくできる状態を維持できるはずである。


 ユウキとミナを別々に装置に入れ電源を入れ回復処置を始める。

その場にいるもの全員がただ彼らを見つめ続ける。

理緒と隆太はけして彼らを目をそらさず見続け見守り続ける。美亜は両手を握りしめ祈り続ける。

理人とミディールは装置に繋がれたPCを操作し続け彼らの容態と装置の制御をし続ける。


 二人の身体の修復を何時間もかけてし続ける。けして気を許す事は出来ない。一つでも異常を見落とせばそれが彼らにとって重大な疾患に繋がる。


 二人には幸せになってほしい。本来あったであろう人生を、取り戻してほしい。今度こそ二人が幸せる時間を人生を自分たちが作って見せる。理人とミディールはその想いを込めるようにキーボウド打ち続ける。


 ぴーぴ!!!!!けたたましくエラー音が鳴りだす。

 

 「まずいこれは...」

ミナの方で回復を処置する部分に問題が起きた。

 どうすればいい.....どうすれば


 理人は画面上を目線で一つ一つ確認し異常個所を探していく。

二人の身体のデーター全く同じだ。今問題が起きているのはミナちゃんの方だつまりユウキ君のデーターと重ね合わせ見て違う部分があればそれがエラー箇所だ。


 「ミディールさんはユウキ君の方の容態を維持させてくれミナちゃんの方は俺が何とかする」

理人はユウキとミナの身体のデーターを一つ一つくまなく確認していく。

データーの違う個所を見つけすぐに処理を修正をしていく。

しかし違う部分を治し修正するとまた違う部分でエラーが生じ何度もデーターを治し修正を施す。この攻防が幾度ともなく続く。


 「くそ!!どうすればいい!!!このままでは埒が明かない!!」

このままでは二人の体力が持たない。すこしでも一分でも早く正常の状態にしなければならない。


 考えろ!!考えるんだどうすればいいんだどうすれば直せる。直すんだ正常に!!!二人の身体のデーターを

この時理人は那智から言われたある言葉を思い出した。


 「壊れたものは直せないそれは死を意味する事だからだ。全ての物理的な物質にとって直すと言う行為、蘇生は、それはこの自然界にとって究極の行為だ未だ成功に至ったことは無い。」


 どうすればいい直せないならどうすれば.....

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「でもねこの子は姿かたちはあなたの妹でも全くの別人なの..わかる?」


「ちがう、別人なんかじゃない断片的だけどあの頃の記憶が今ここにいるミナにはちゃんとある今ここにいるミナは間違いなく僕の妹だ」


 「それは彼女を作ったあなた自身が自分自身を素体とすることであなたの中のミナちゃんの記憶を元に実体化させた...それはただの作り物...」


 「私たちが開発していた装置は確かに遺体そのものを蘇生させる装置だったわ。だけど実験は失敗し続け問題になった結果、完成に至った装置は遺体を蘇生させる装置ではなくまったく違う物になってしまった。」


 「装置が素体となる人間の記憶を元にコピーし記憶と自我と身体を作成させる物となってしまった...」


 「バカな!!!どう見てもこの顔は体は俺の妹のミナだ!!!!信じられるか」

 

 「それはあなたの記憶を元に今のミナちゃんを作り出したからであって、今ここにいるミナちゃんはあなたが求めたミナちゃんではけして無い...」

 

 「僕はミナを蘇生させるために独学ながらこの装置を使用する際に様々な改良を加えた...今ここにいるのは確実にミナだ...」


 「違うあなたがしたことはあなたの求めたミナちゃんに、より近い存在にするために手を加えただけでありあくまでこの子は本物のミナちゃんに「極めて近くより遠い存在」なの」

-------------------------------------------------------------------------

 わかったよ........答えが.......

直しちゃいけなかったたんだ


 理人は一度キーボウドの操作を止め、息をすぅーと吸い込み深呼吸をする

本当に間違いないのか?失敗したら取り返しのつかない事になる。


 だけと


 それでも


 このまま何もしなかったら俺は一生後悔する。

婆ちゃん、美香どうか俺に勇気を力を、貸してくれ。この二人のために


 理人は再びキーボウドの操作をし始める


 理人は一つの答えに至った

直してはいけなかったんだ。戻すんだ元のミナちゃんに

進んだ時間を巻き戻すように。


 理人は無言でキーボウドを打ち続ける。

ほどけた糸を巻き戻すように取り戻すように。

決して戻らない二人の時間を巻き戻すように。


 二度と戻らないはずの二人の時間を巻き戻していくように


 見つけた!!!!!答えが!!!!遂に見つける事が出来た!!!!!答えが!!!

戻すんだ!!!!二人の時間を!!!!!巻き戻すんだ!!!!!そして取り戻すんだ!!!そしてつなげるんだ!!!!今の二人に!!!


 今は決して戻らない二人の人生と時間を!!!


 理人はキーボウドを打つスピードを速めていく二人の時間を巻き戻すように取り戻すように。

終わることのない明日を彼らに与えるために。


 行ける!!!行けるぞ!!助けられる二人を!!!あと少しで

彼の想いを夢にはさせない。


 後は戻しだ時間と巻き戻したミナちゃんを今の時間に繋げるだけ。

巻き戻した時間を今の時間に繋げるんだ。


 「聞こえるか!!!!帰って来るぞ!!!君の元にミナちゃんが!!!がんばれ!!!あと少しだ!!!!」

理人はユウキに向けて声かける


 「君たちの関係は決して治ることのない傷があった。それは決して直すことができない。だから!!!戻すんだ!!」

「巻き戻すんだ!!!!取り戻すんだ!!!!もう戻らないなんて嘘だ!!!」


「容態が....安定していく..いや.....戻っていくと言っていいの?これが.....一つの答え?」

 

 人はどうしても答えを急ぎ過ぎて見余ってしまう。


 だから.......


 だから......

 

 立ち止まって

 

 後ろを振り向き


 一歩戻る事で見落とした答えを拾いなおすことができる。

立ち止まって戻ってもいいんだ。それは恥ずべきことではないんだ。



 そうだろ?婆ちゃん

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現実世界〔恋愛〕
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