表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Never Island  作者: 阿久津ゆう
 6章 Episode of Another Japan~悲しみの亡国もう一つの結末へ
141/141

107.9話 「遺された真実」

 朝霧が包む頃、ミディールは寝室のドアを叩いた。廊下には彼女の靴音だけが響く。


 「入っておいで」


那智の声が聞こえた。ミディールが踏み込むと、老女は既にデスクに向かい、分厚いファイルを開いていた。理人達はまだ眠っているのだろうか、室内には静寂が満ちていた。


ミディールは一歩前に出ると、懐から取り出し資料を広げた。


「これを見ていただきたい」

彼女の声には珍しく緊迫感があった。


 那智はため息をついた。老眼鏡を押し上げながら資料に目を通す。


 老眼鏡越しに紙面を見つめていた那智の顔から血の気が引いた。

彼女の指が震えながら文字列を追う。最初は微かな動きだったが次第に大きく波打ち始める。


「なん……だと……」

かすれた声が部屋に溶けた。老いた喉仏が上下する。


 そこには歪んだ文字で書き殴られたメモのようなものが羅列されていた。

日付と時間、それと傍らに記された不可解な数値列


 「そんな馬鹿な!!!あり得ない....だってあの二人は......どう見ても....いやしかし...偶然にしては....あまりにもこのDNAは...」


...................

 「そもそも並行世界のあなたは本当に偶然だったのでしょうか?」


 ミディールが慎重に問いかけた。

 「理人たちと出会ったのも……」

那智の表情が歪んだ


 「そうかもしれぬ。神というやつは悪戯が好きだからのぉ。時計仕掛けの天使が不具合を起こすことはあるだろうが……」

那智は自嘲気味に笑った。


 「ならあの水子のお墓のこの名前は?........」


 「ああ.....間違いはないよ『あの子』と『この子』多分は同一人物だ」


 「やっぱり.......でもどういうこと?」


 「こればかりは私でもなにがなんだかわけがわからんよ......」



 並行世界の私.........いったいこれはどういうことだい?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現実世界〔恋愛〕
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ