カリンイベントの全貌
「まずカリンをターゲットにしたのには訳がある! 第一に金を持ってる事、第二にルフランに完全に入れ込んでる事、第三にプライドが高い娼婦である事だ! よって成功率が高いとみてイベントを開始した!」
魔王様の解説が勝手に始まってしまった……。 聞きたくないけど気になる……悔しい! 大人しく魔王様とアーニャの話を聞いてよう……。
「二つ目まではわかるけど、三つめは何で?」
「ニーナが言ってた悲劇のヒロイン願望だ。 カリンは娼婦しかできない可哀そうな自分に浸りつつも、そんな中で1番になって頑張ってる自分が好きなんだ。
だから俺様がお望み通りヒロインになれる舞台を用意してやったぞ!」
余計なお世話だよぅ!
「ラウンツさんにも好評だったね!」
「おう! そしてプライドの高い客はな、思いっきり鼻をへし折って調教すれば、その落差でドハマりする。
カリンの中の常識を塗り替えたのが今回の作戦の大本命だ。 俺らの世界の常識をカリンの新しい常識として叩き込んだ!」
「簡単に言うと好きなナイトに貢ぐって事だよね!」
「そうだ、しかも枕無しでだ! でもそう簡単に人の常識なんて変えられない。 ナイトがいくら説得したって、体の関係無しで本気で愛されてるなんて普通は信じられない。
今回の枕事件を、アッシュの一度きりの失敗として解決するだけなら簡単だが、今後ほかにも同じような奴が出てくるはずだ。
そうするとルフランは永遠にカリンからの枕要請をかわし続けなければいけなくなる。 だからルフランのためにもイベントを追加してやったんだ!」
おかげで私の胃が大変だったよぅ!
「なるほどね! 根本から解決させるために追加イベントがあったんだね! だからルフランくんが怒って『ケンカして仲直り』イベントを開始したんだ!」
「そうだ。 ルフランが色々とカリンを無視して本気で怒ってるアピールをしたろ? あれはつまり、客じゃなく一人の女として見てるっていうアピールだな」
「あー! お客さんなら他にもいるから、お金のためにカリンちゃんと仲良くしてたわけじゃないよって事だよね! ヴァンくんがそんなような事言ってたね!」
「そうだ。 じゃあ次はカリンの気持ちになってみろ。
確かにルフランは本気で自分の事を好きかもしれないと信じ始めた一方で、念話は無視される、客として店に行っても無視される、トドメに永久指名解除の話まで出てきた。
ルフランが『金を捨ててでも一緒にいたくない』と思ってるんじゃないかって不安になってこないか?」
「あ! 確かに! だからカリンちゃん大人しかったのかな?」
なるほど……。 迷惑かなとか言ってもんね……。 カリンさんの態度が180度変わったのはそんな気持ちがあったからなんだな。
「だろうな。 女としても無視され、客としても無視され、カリンにとっては初めての挫折だ。 最初の頃のただの客だった時よりみじめだ、カリンは耐えられないだろう」
カリンさん自分でもみじめって言ってたな……。 ルフランさんには片想いでもいいって言いだしてたし……。
「魔王様がプライドへし折ったって言ってたのはこの時だね!」
「いらないプライドを捨てさせてやったんだ! カリンは俺に感謝していいぞ!」
魔王様はなんでそんな偉そうなのっ⁉ 確かにカリンさんは何か吹っ切れた感じがしたけどっ!
「でも何でそこまでしたの?」
「カリンの中の常識がグラついてきたところで、俺らの常識に塗り替えるためだ!
カリンが言ってたろ? 『好きならヤるもんだ』『金の関係なんて嘘』、これはまともな思考だ。
でもまともなアタマを持ってたら大金は使わないからな!」
「確かにね! あ、いつの間にかカリンちゃんが悟りを開いてたけど、あれは何で? ヘルプが影響してるのはわかるんだけど」
「それはまずセシルから始まったな。 セシルが『ルフランはカリンと同じ考え方じゃない』って教えた事で、カリンは自分の常識が通じない世界に気付いた。 それが何が何でも落としたいルフランの事なら真剣に考えてみるのは当然だ。
次にアレンだな。 お前らも悶えてたけど、暗に、ルフランは大事な人にしか怒らないって話をした事で、カリンはそれを信じ始めた。
んで、店に来ても無視されるにつれて、アレンの言葉にすがるようになったろう。 『私は本当は大事に思われてるはずだ』ってな」
「カリンちゃん大恋愛だね!」
「俺様監修だから当たり前だ!」
魔王様の演出は壮大すぎるよぉ! もっとプチ演出でお願いします!
「最後はミアが大活躍だったなー!」
「そうだね! シャンパンをゴリ押ししても許されるのは天然のミアちゃんだけだもんね!」
「おう! さすが俺様! あそこでミア投入の決定を下せるのは俺しかしないぜ! 嗅覚はまだ衰えてないな!」
いつの嗅覚っ⁉
「魔王様さっすがー!」
「てかその前のアンナの話が良かった! アンナは客の鏡だからな!
んでカリンは、ルフランがナンバーワンになりたいなら、それを支える自分に振り向いてくれるんじゃないかって頭を切り替えたみたいだな。
というかもうルフランに無視されてる時点でそれしか方法は無い。 ただ薄々わかりつつもカリンの中では当然心の葛藤があったろう。 今まで何でも力ずくで手に入れてきた女だからな。
セシルの話に戻るけど、ルフランの彼女になるにはカリンが折れて歩み寄るしかないんだ。 それをカリン自身に納得させるために何日も放置した」
「なるほどねー! カリンちゃんが一緒にナンバーワン目指すって言った時に飛びつかなかったのも効いたよね!」
「そうだ! そこでルフランが飛びついたらカリンが優位に立つからな!
しっかし、アンナは自ら『推しの幸せは私の幸せ!』って考えに至ってるのは相当出来上がってるぜ? ミアがアイドル営業だからできた事だ!」
「確かにミアちゃんのキャラは、ミアちゃんと恋愛したい! っていうより近くで愛でたい! って感じだよね!」
「だな。 だけどアイドル営業は軌道に乗るまで時間がかかるんだよなー」
「あ、ミアちゃん、アレンくんルフランくんに売り上げ抜かされたもんね!」
「アイドル営業は箔が付かないと売れないんだよ。 自称アイドルなんてただの人だからな。 誰も手に入れられない位置にまで登り詰めないと崇められないんだ」
「なるほどね~! 魔族が魔王様のお姿だけでも拝見したいってのと一緒だね!」
そんな魔王様とタメ口で話してるアーニャはもうちょっと敬意を払った方がいいと思う……。 魔王様への念話は緊張するクセにぃ! どういう線引きなのっ⁉
「そうだな、ははは! まぁミアはアンナがどうにかするだろ! っと、話が逸れたな。 そんな感じで、カリンの頭ん中の書き換えは完了だ!」
「常識を変えるにはこんなに時間がかかるんだね!」
「これでも最短だ。 ナイト達はよくやったぞ、素晴らしい。
んで、ミアのおかげでシャンパンが入った、イコール、カリンが金を使ったから、ルフランが上手くカリンを落とし込めるなら仲直りのGOを出した!」
「ルフランくん丸く収めたね! ケンカしてシャンパンで仲直りするのがこれから流行りそう!」
そんなの流行らなくていいよぉ!
「魔王様ぁ……カリンさんはホントに悪夢を望んでるんですか?」
「何言ってんだニーナ? 俺は悪夢を見せるつもりはない。 カリンが自分でエースになるって答えを導き出したんだ、これからは楽しんで金を使うぞ!」
「え、だってお客様が望むなら悪夢でも見せるって……」
「極論だ極論! ちゃんと俺は客の意思で金を使うように仕向けただろ? 俺を誰だと思ってる! ホストの帝王だぞ!」
「魔族の王ですってぇ……。 でも安心しました」
「そういえばもう決戦日まで残り半分切ったな。 誰が初のナンバーになるかなー!」
「ナンバー争いには関係ないけど、アリアちゃんのくまさんデコの行方も気になるね! ね? ニーナ!」
「もう私はカリンさんで疲れたよぅ……」
「ドラーフ達も全員移住させなきゃだしなー! いつにしよっかなー!」
「あ! そうだね! 楽しみだね魔王様!」
あっ! 忘れてた! せめて決戦日が終わってからにしてぇ!
4/25明日はお休みします(∩´ω`∩)




