仲直りシャンパン
あわわ! コールが始まっちゃうよぅ!
「「「いーよいしょ! 『いよいしょ!』 始まりました! 『始まりました!』 素敵な! 『素敵な!』 シャンパン! 『シャンパン!』 ぶち込んで! 『ぶち込んで!』 くれたのは! 『くれたのは!』 こちら! 『こちら!』 素敵な! 『素敵な!』 姫と! 『姫と!』 王子の! 『王子の!』 お席に! 『お席に!』 なんと! 『なんと!』 なんと! 『なんと!』 なーんと素敵な! 『なーんと素敵な!』 シャンパン一発頂ました! 『ありがとうございます!』 ディメンション全員集合! 『集合ー!』」」」
ルフランさんが渋々カリンさんの隣に座った。 いつもと違って二人の間には少し距離が……。
カリンさんは急にルフランさんが隣に来て戸惑っている。 チラチラとルフランさんの顔色をうかがっているけどルフランさんは無表情だ。 え、演技だよね? 怖いよぅ!
「「「さーディメンションのナイト全員集まったところで! 『オイ!』 乾杯の! 『オイ!』 準備! 『オイ!』 できた! 『オイ!』 ところで! 『オイ!』 コールいきまっしょーい! 『オーイ!』
素敵な 『素敵な!』 思い出を! 『思い出を!』 姫様! 『姫様!』 ありがっとーーーい! 『ソレソレソレソレ!』 感謝の! 『感謝の!』 気持ちを! 『気持ちを!』 込めまして! 『イェイ!』 シャンパン! 『イェイイェイ!』 みんなで! 『みんなで!』 頂きます! 『ハイッ!』 『スリー、トゥー、ワン、GO! かんぱーーーい!』」」」
ポンッ! っとシャンパンが開く。
「「「それでは! 『それでは!』 素敵な! 『素敵な!』 姫から! 『姫から!』 一言! 『一言!』 頂きまっしょい! 『オーイ!』」」」
「……あ…………」
「「「……アーリガッザーイ! 『アリガッザイ!』 それでは! 『それでは!』 ビンダの! 『ビンダの!』 ご指名は? 『ご指名はっ!』」」」
カリンさんが何も言えなかったけど構わずコールは進む!
「え……」
「カリン! 無視したルフランにやり返すニャ!」
「あ、うん……」
「「「ご指名! 『ご指名!』 ルフラン! 『ルフラン!』 グイグイ! 『グイグイ!』 グイグイググイの! 『グイグイググイの!』 感謝の! 『感謝の!』 気持ちを! 『気持ちを!』 込めまして! 『込めまして!』 『ごっつぁんでーーーす!』」」」
ルフランさんは無言でシャンパンをビンダ。 そしてルフランさんとミアさんを残してナイトさん達は散っていった。
テーブルには3人分のシャンパングラスが残っている。
「やっぱりシャンパンコール楽しいニャ!」
「…………」
「…………」
く、空気が重い!
「あ……ルフラン、ネックレス……」
「……つけてて悪い?」
「……ううん、嬉しい……」
「あ、代表に呼ばれたニャ! ご馳走様ニャ!」
ミアさんがグラスのシャンパンを飲み干して席を立った。 魔王様に呼ばれたとかいちいち言わなくていいのっ! 魔王様はミアさんに念話して回収したみたいだ、よかった。
「あ、あの……こんな形で無理やりルフラン呼ぼうとなんてしてなかったんだけど、ミアが勘違いしてなんかこうなっちゃって……ごめんね……」
あ、あのカリンさんが謝ってる……?
「……」
「……あ、あのさ……みんなの話を聞いてちょっと私の間違ってたところが分かったかも……」
「……」
ルフランさんはホールの方を向いたままシャンパンを飲んでるだけだ……。 仲直りイベントだよね⁉
「私……片想いでもいい……ルフランを好きなのは変えられないから……」
ルフランさんがやっとカリンさんの顔を見た! お願い! 仲直りして!
「片想いじゃねぇよ」
「あ、うん……えへへ……」
ああ! いい感じ! アーニャも興奮してるけどちょっと黙って! 今いい所なの!
「あ、あのさ……ルフランもナンバーワンになりたいの?」
「俺には顔しかないからな。 ナイトが天職だ。 やるからには登り詰める」
「私も一緒にやるよ……」
来た! やったね! ……あれ? ルフランさんの眉間にしわが寄ってる。
「カリンは客にならなくていいって」
「……ミアのお客さんがね、ミアをナンバーワンにするのが楽しいんだって。 ミアの幸せがその子の幸せなんだって。
あとね、アレンからも聞いたよ。 ルフランに、アレンが楽しければアレンの兄弟も楽しいみたいなこと言われたって」
「……」
「なんかよくわかんないけど、私は人から何かをもらう事しか考えてなかった気がする……。
……っ! 私はそこら辺の女とは違うんだからね⁉ だ、か、ら! 私の力をなめないでよ⁉ 絶対、ルフランの方から『彼女になって下さい』って言わせてやるから!」
カリンさんが意を決したようにハッキリとした声で言った!
「……あはははは! 勝手にしろよ! 俺の彼女は簡単にはなれないからな⁉」
ルフランさんが笑ったらカリンさんの顔に笑顔が戻った!
「私に落ちない男なんていないし!」
「俺がその最初の一人になってやろうか⁉」
「いや落とすから! キャラリアのてっぺんから落ちるくらいの覚悟しといてよ⁉」
「はは! 楽しみにしてる!」
「くぅ~! これにて『ケンカして仲直りイベント』完結かな⁉」
「くっ……完璧ですっ!」
「ははは! やっとカリンがシャンパン入れたなー! ミアが意外といい仕事したぞ!」
「カリンちゃん、ルフランくんをナンバーワンにすることに決めたんだね! ねぇニーナ、何でこうなったのかな?」
「いつの間にかこうなってたから私もわからないよ……。 でも献身的なカリンさんの決意にルフランさんは心打たれたみたいだね!」
「アホか。 本当に好きなら金を使わせる訳ないだろ」
「ぎゃぴっ⁉」
「全部演出だ! カリン用のイベントだぞ? 金を使わせるためにわざわざみんなでここまで用意周到に店ぐるみしたんだ、カリンにはルフランのエースになってもらう!」
悪夢はまだまだこれからって事っ……⁉
「魔王様! イベントの解説して!」
「フフン! しょうがないな!」
魔王様が解説したくてウズウズしてるっ! 聞きたくないよぅ!




