ラヴィカフェ
もうすぐ人界初出店編へいきますのでもう少しお付き合い下さい!
「ラヴィカフェって……もしかしてラヴィを食べるんですか⁉ だっ、だめですよこんなに可愛いのに‼」
「違う違う、逆だ」
「逆とは……?」
「……ニーナ、毎晩ラヴィをモフってるらしいな……?」
魔王様が目を細めて私を見る。
な、なんかマズかったのかな⁉ でも魔王様に嘘はつけない……覚悟を決めよう。
「そ、そうです……1日1モフりはしないと疲れが取れません! ……だから毎日モフってました! ごめんなさいぃ!」
突然懺悔させられ、うわぁああん! と両手で顔を隠す。 見ないで!
「フッフッフ……まさにそれだ! ラヴィカフェに来ればラヴィをモフり放題だ!」
「なっ! ……ラヴィをモフり放題⁉ 警戒心が強くて私は何度も噛まれましたよ⁉ その度にメイリアさんが来てくれて……実はもう私は 解毒剤漬けです! ごめんなさいぃ!」
ホントはミアさん達肉食系の獣人さんも毎晩モフりに来ててみんな解毒剤漬けだけど、ここは私1人が罪を被る決意をする。 ……みんなは生きて!
「ニーナ……人は過ちを犯すものだ。 だが安心しろ! エリーがいればラヴィは噛まない‼」
「なっ! なんだってぇえ⁉」
「ラヴィはエリー達兎族に似てるからお話しできるプゥ!」
「くっ……兎族に生まれたかったです!」
「という訳でだな、エリーが見守る中でラヴィをモフりながらお茶や食事ができるカフェ、すなわちラヴィカフェを開くぞ!」
「魔王様! 素晴らしいです! ニャンダフルバンザイ‼」
ずっと私を生暖かい目で見ていたルルさんとメイリアさんが「よかったね」と声をかけてくれた。 あ、取り乱してすみませんでした。
「最近ニーナをコキ使い過ぎたからな、悪かったよ。 特別に副店長にしてやる!」
「……‼ 魔王様! 私は魔王様を信じていましたよ! 忠誠心が爆上がりです‼」
「うむ。 じゃあエリーと店の立ち上げよろしくな!」
「はいっ!」
……ってあれ? また新しい仕事振られてない⁉ 副店長は罠だ! ヒドイ!
「ニーナ、ラヴィのところに行ってみるプゥ!」
「あ、はい」
ラヴィにまた体払いで慰謝料を回収させてもらおう。
ディアブロの裏口を出たらすぐモフモフパラダイスだ。
エリーさんが柵の中に入るとラヴィがぴょんぴょん寄ってきた! う、羨ましい!
プゥプゥと鳴いてエリーさんに擦り寄ってる……ラヴィはプゥって鳴くんだ、初めて鳴き声を聞いた。
だからエリーさんの語尾もプゥなんだ。
「みんな、ここにいるニーナは噛まないであげてほしいプゥ。 おいしいご飯をくれるプゥ」
「……ニーナ……はい……」
後ろで見守っていたメイリアさんが種をくれた。
「? これなぁに?」
「……ラヴィの好きなランランの種……土に撒いて魔力込めて……」
「メイリア様‼ ありがとうございます‼」
早速土に撒いて魔力を込めると、にょきにょきっと生えてきて白い綺麗なお花が咲いた! ラヴィもダッシュで寄ってきて草を食べてる!
「……ランラン……応援隊の作戦に使えるかも……」
「えっ⁉」
「……夜のミーティングで話す……」
何だろう? 楽しみだけど今はラヴィだ!
ランランで餌付けした私にラヴィが擦り寄ってきている! ふぉぉおおおお‼
この日はまだカフェの建物が出来上がっていなかったので、ラヴィをモフり倒しただけでお仕事が終わった。
「そういえばエリーさん、ミアさんは? 一緒にお店をやるんじゃ……」
「ミアはニャンダフルって名前が日の目を見たからもう満足したプゥ。 それに、肉食系の獣人は本能に逆らってラヴィに爪を立てないよう我慢するのがキツいらしいプゥ!」
「あ、あれだけ大騒ぎしてたのにもういいんだ……。 確かに獣人さんは嬉しいのか辛いのかよく分からない感じでモフってたね」
まるで封印を抑え込んでる時のアーニャみたいだったな……。
もうすぐ夜だ。 エリーさんに、建物が出来たらまた呼ぶと言われて解散した。
寝る準備をしたら、メイリアさんに気になっていたことを聞く。
「そういえばメイリアさんが思い付いた応援隊の作戦て何ですか?」
「えっ! 何何? カルムちゃんをどうやっておびき寄せるか思いついたの⁉」
そう、[ドキッ☆ ピンチで恋の魔法大作戦!]は、カルムさんを人気の無い場所へ呼び寄せる策が無くて行き詰まっていた。
「……ラヴィをエルドラドに逃げさせる……カルムさんにラヴィを探してもらう……」
「なるほどね! でもラヴィがどこに行くかなんて分からないよ?」
アーニャの言う通りだ。
「……ランランを一つだけ植えておく……」
「……! メイリアさんすごい!」
「ランラン?」
アーニャにランランの凄さを説明した。
「それならバッチリだね! メイリアちゃんあったまいい!」
「……ふふ……」
「楽しそうね、結果が出たら教えてね。うふふ」
ルルさんは見守り隊らしい。
作戦は早速明日、決行してみようという事になった。 楽しみだな!
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今日は作戦決行の日だ!
「魔王様おはようございます! 今日ついに例のミッションを達成しますよ!」
「何だ? なんのミッションだ?」
「もうっ! トッドさんの事ですよ!」
「ん???」
……忘れてる! 魔王様にこんこんとミッションの重要性を説いた。
「お、おお。 確かに俺も絡んでるな……ドルムも呼んで作戦決行するかぁ……」
エリーさんにラヴィを1匹借り、魔王様とドルムさん、私とアーニャにメイリアさん、ラウンツさんとお兄ちゃんでそれぞれグループに分かれ、エルドラドの端っこに少し散らばってスタンバイする。
メイリアさんが植えたランランの周りを囲うように、草陰に隠れて陣取った。
アーニャがゴブすけさんを呼びに行って帰ってきた。
他のゴブリンさん達も少し遠くでゴブすけさんの勇姿を見守っているらしい。
「ゴブすけ! 準備はオッケー⁉」
「バッチリだゴブ!」
「じゃぁニーナ、カルムちゃんを呼んでこよう! メイリアちゃん、ラヴィをよろしく! パーティ念話もお願い!」
『……念話準備完了……』
『時刻は一000! これより[ドキッ☆ ピンチで恋の魔法大作戦!]を決行する! 総員配置にて待機!』
『オッケーよっ☆』
アーニャとドルムさんのお家に来た。
「カルムちゃ〜ん! 大変大変〜☆」
「あっ、アーニャ、ニーナ、どうしたのー?」
「ラヴィがエルドラドに逃げちゃったんだよ! 一緒に探してくれないかな?」
「えっ、大変だね! 手伝うよー」
「ありがとう! 私達は左手の方を探すから、カルムちゃんは右手の方をお願いできるかな?
ラヴィはランランっていう白くて大きな花の草が好きだから、花を探せばいるかも!」
「うんーわかったよー」
アーニャは普段封印と戦っているせいか、意外と演技が上手かった。
『第1ターゲットが移動を開始! 罠にかかり次第報告を!』
『任せてっ☆』
「ニーナ、トッドくんのところへスタンバイしよう!」
「うんっ!」
「トッドく〜ん! 大変大変〜☆」
「あ? なんだよ?」
「ラヴィがエルドラドに逃げちゃったんだよ! 一緒に探してくれないかな?」
「はぁ? なんで俺が!」
「カルムちゃんも探してくれてるよ!」
「……チッ! しょうがねぇな!」
「ありがとね! こっちこっち!」
『第2ターゲットも移動を開始!』
トッドさんを連れて、カルムさんとは反対方向を探し回るフリをする。
「いねぇな……カルムはどこを探してんだ?」
「え〜っとぉ……この辺りにいると思うんだけど?」
「俺が念話してやるよ!」
「ちょ! ちょっと待って! ニーナが魔力探知で見つけられるから!」
『ニーナヤバイよ! 適当に探してるフリして!』
『うん! みんな、カルムさんまだかな⁉』
『アッ! カルムちゃん見えたわっ! 花を見つけたわよ!』
『第2ターゲットを向かわせる!』
「トッドさん! カルムさんとラヴィらしき魔力を見つけました! 行きましょう!」
「おうっ!」
ランランが咲いている場所へと急げっ……!
『もう着くよ! ゴブすけにGO出して!』
ゴブすけさんは念話出来ないからお兄ちゃんがGOを出す係だ。
草をかき分けランランが咲いている場所へと出た! カルムさんがランランに夢中なラヴィを撫でている。
チラリと私達の姿を確認したゴブすけさんがカルムさんへ近づく……。
「うぃ〜ヒック! ゴブゥ。 ぼうけんしゃがおとしたおさけをのんだらなんだかきぶんがいいゴブ〜! おっと! へっへっへ……かわいいこがいるゴブゥ! いっしょにくるゴブー!」
ぼ、棒読みだ……説明口調だし。 ゴブおさんの演技指導とは何だったのか……。
ゴブすけさんがカルムさんにじわりじわりと近付く!
「きゃ、きゃあ! ゴブリンさん! 仲良くするお約束だよー?」
「あっ! ゴブリンッ! カルムに何する気だっ!!」
トッドさんが飛び出して行った!
いっけぇーーーーー☆‼




