表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
243/285

カリン:怒ってるんだからねっ! 後編

カリン視点。

「よく考えたんだけど……カリン、今の仕事もう辞めれば?」


 えっ⁉ いいの⁉  でも……稼げなくなった私はルフランにとって……どういう存在になるの? 怖い!


「や、やめ、辞めたらお金無くなるよ……?」

「たまにこうやって会えばいいじゃん」

「たまにって……」


 ルフランはナイトを辞める気は無い。だから今は私が一番お金を使ってるからルフランといつも一緒にいられた。

 って事は……私がディメンションに行かなくなったら他の子がルフランの一番になってその子がルフランを独占……。そんなのイヤッ!

 でも! 私はずっと「お客さん」でいたくない! どうしたらいいの⁉


「カリン、将来どうすんの?」

「え? 考えてない……。だって何も思いつかないから……」


 それは聞かないで! 娼婦の未来なんて客の愛人になって飼殺されてから捨てられるか、客の誰かに(はら)まされて店をクビになって……最悪路上生活……ッ!

 だからなんとなく貯金したりディメンションでパァーッと遊んで不安をかき消そうとしてた……。


「俺も」

「えっ?」


 ルフランも……? どういう事……あ……。


「ナイトの前はちょっと服屋で働いてたけどさ、安い給料でコキ使われて、『俺の人生ずっとこうなのか』って思ってたよ。でもディメンションがオープンしてすぐに代表がナイトみんなにこう言ったんだ」

「魔王が……?」

「『ナイトで成功しても稼げるのは若いうちだけだ。将来のために金を貯めとけ。貯まった金で商売をするなりなんなり、ちゃんと人生計画を立てておけよ?』ってさ」

「稼げるのは若いうちだけ……私達と一緒だね」


 魔王って魔王のくせに、なんでこんなにナイトのことを心配してるんだろ……?


「もし俺がこのままナイトで金貯めて辞めたらさー」


 ルフランがナイトを辞める⁉


「その時カリンを好きになってたら、一緒に何かやる?」

「な、何かってなに?」


 ちょっと話が未来過ぎて頭が追い付かない!


「俺とカリンの顔なら俺ら目当ての客が来るだろ。顔で客を呼べる商売……。食堂……は料理できないから無理か。……あ! 酒場ならできるんじゃねー? 恋物語無しの酒場な。ははっ!」


 私がルフランと酒場経営⁉ 夫婦っぽい! なんだかすごいワクワクしてきた! 私とルフランの稼ぎならイケるかも!


「やりたい!」


 あ……でも……。


「ルフラン、私もお金貯めるんだよね? そうするとディメンションに行けない……」

「カリンは今の仕事自体辞めていいって。俺が稼ぐから」

「でも……っ! どっちみちお店に行けないから、そしたら他の子にルフラン盗られちゃうかもだしっ!」

「そこは確かに約束できない。でも誰でもそうだろ? 時間が経ったら好きになる相手が変わる事もある」

「……今、私を好きになってはくれないの……?」

「そこをウソつく訳にはいかないからな……。カリンが変われば俺の気持ちも変わるかもしれない。とにかく俺が今日言いたかったのは、カリンの好きにしたらいいって事。例えば飯屋で働いて普通の女の子に戻るのもアリだと思う。ただ、俺からカリンが離れていくのはやっぱり寂しいよ」


 ルフランは私を騙そうとすれば出来るのにしなかった。お金のために嘘で付き合うフリをしたっておかしくなかった。でも今日のルフランは私に本心を話してくれてる気がする。

 ルフランは私の事をちょっとは好きだと思うけど、私がいなくなったら……きっと他の子がルフランを支える。その子がルフランの彼女になってもおかしくない。

 だから私が変わらなければ、好みじゃない気の強い面倒な女は手放してもいいって事……? 前みたいに……売り上げを捨ててでも……。


「私……仕事を変えても今さら月15万ディルなんかで生活できないよ……。ルフランの好みの女の子になりたいから、ルフランと一緒にいたい。でもナイトを辞めるまでなんて待てないよ……。どうしたらいいの?」

「……俺は死に物狂いでナンバーワンを取り続ける。カリンが俺を信じるかどうか、それは好きにしてとしか言えない」


 ルフランを信じて待つかどうか……。


「待つならせめて一緒に住みたいな……付き合ってなくてもいいから」

「そうしてやりたいけど……ナイトをやってるうちは厳しい。一緒に住んだら他の客にバレる」

「そう……だよね……」

「ごめんな……」


 ルフランがそっと私の腰に手を回し、そのままずっと一緒にいてくれた。

 私はルフランに寄りかかったまま、これからの事をぐるぐると考えたけど……答えは出なかった。




「ルフラン、私店に帰って一人で考える」

「ん……送るよ」

「他のお客さんに見られないようにひとりでコッソリ帰るから大丈夫」

「そっか。……あ! ちょっと一軒行ってみてほしい所があるんだけど」

「ん? なに?」


 ──ルフランの話にはビックリしたけど、それはかなり気になる。


「信頼してるカリンにしかお願いできないからさ」

「うん、分かったよ」


 一緒に玄関ドアまで来てくれたルフランとハグをして家を出た。

 そして店に帰ると、もうママがカウンターでおつまみの仕込みをしている。


「おかえりカリン」

「ただいま……ちょっと今日は開店まで部屋にいたいんだけど……」

「恋だね! 若いね! いいよ、ゆっくり悩みな!」

「あ、ありがとう……」


 ニヤニヤしたママの顔を背に、自分の部屋へ戻った。


 ベッドへ横になりクッションをぎゅむぎゅむ抱える。

 ……ルフランの事、信じていいのかなぁ……。でもさすがにナイトを辞めるまでってのは……だって何年かかるの⁉

 男の甘い言葉は信じちゃいけないっていつもママが言ってるし……。何を信じればいいの……。


 ……はぁ、考えても分かんない。とりあえずルフランの言う通り気分転換に行ってみよう。




カリンちゃん幸せになってほしい(´;ω;`) そしてどこへ行くのかな?

12/5(日)はお休みします(∩´ω`∩)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ