2回目の決戦日 ラストオーダー合戦! まだ続くよ編
「えっ⁉ じゃあやっぱりミアさん4位⁉」
どうなっちゃうの⁉ アンナさん頑張ってぇ!
「……いえ、ミアちゃんは現時点でネフィス君とかなり差をつけているもの。単純にお酒の額の順番なだけの可能性も残されているわ……ッ!」
ルルさんがギリッと歯を食いしばり、引き続き解説してくれた。終盤も終盤になって、さすがのルルさんも手に汗握っているようだ。
「ま、魔王様、コールの順番は魔王様が決めているんですか?」
「コーディだ! 流石コーディは優秀だな、俺様の演出方法をマスターしたぞ!」
チラリとコーディさんを見ると、こちらに振り返ってニタァ……っとした笑顔を見せてくれた。……魔王様から〈ラストオーダー演出〉スキルを伝授してもらえて良かったですね。
「「「ナイト! 全員! 集まったーところで! 『トゥナイ!』 飲めやー騒げや今宵の宴は! 『宴は!』 王子と姫の独壇場! 『独壇場!』 今すぐ君にー会えるなら! 『ッエイ!』 騒ぎ出す! 胸騒ぎ! 『ハイハイハーイ! ハイハイハーイ!』 踊れー騒げー最高の夜に! 『ハイハイハイ!』 ユニコーン! 『ユニコーン! いただっきゃす!』」」」
ぎゃぴっ⁉ アーニャのユニコーン予想がひっそりと当たってる!
「やったぁ! ルルさんっ私の予想当たったよ!」
「良かったわね、ふふっ」
やめてよぉ! アーニャの賭けが当たる時は波乱が起きるんだよぉ‼
「「「それでは! 『それでは!』 素敵な! 『素敵な!』 姫から! 『姫から!』 一言! 『一言!』 頂きまっしょい! 『オーイ!』」」」
「ミアくん……同じ時代に産まれて同じ街にいてくれてありがどぉ……っ!」
「……僕も出逢えてよかったニャ! 僕の特別なプリンセス!」
アンナさん……泣いちゃった。両手でぎゅっと握られたスカートにポロポロと涙が落ちている。ナンバーワン取れなくて悔しいんだろうな。 先月に比べれば名刺祭りも合わせて頑張ったのに。
ルナさんディアナさんも世界滅亡を前にしたかのように泣いている……。相変わらず感情表現が冠婚葬祭だ。
「「「アーリガッザーイ! 『アリガッザイ!』 それでは! 『それでは!』 姫様! 『姫様!』 ありがとうございます! 『ありがとうございます!』 うーソレソレ! 『ワンツーいやほい!』 ナンバーワン! 『ナンバーワン!』 王子が! 『王子が!』 目指すは! 『目指すは!』 ナンバーワン! 『ナンバーワン!』 ディメンション全員パーリーピーポー! 『今夜もフロアはお酒の戦場!』 酒をー浴びるぜ! 『ごっつぁんです!』」」」
あれ? そういえば110万のキキさんより100万のアンナさんの方が後だった。
ルルさんの言う通りナンバー順じゃなく単純にお酒の額で順番を決めたならアンナさんの方が先のはず……。飾りだけの額なら確かにキキさんが先になるけど……。
もぉお! どうなってるの⁉ ナンバー順でコールしてるの⁉ お酒の金額順でコールしてるの⁉
魔王様とコーディさんの演出が読めないよぉ!
「次はいよいよ最終決戦だね!」
「ひぃ!」
「楽しみね!」
「この後のコール順は流石にコーディから念話で相談されたぜ! 俺様もかなり迷っちゃったな~!」
「えっ! 魔王様でも悩んだの⁉ それは熱いねっ!」
アーニャとルルさんと共に、私もフロアを覗く目が離せない……くっ! やっぱり気になる!
魔王様プロデュースで送るカリンさん・はみゅエルさんのラスボス対決……もうどうにでもなっちゃえっ!
「なんとなんとー! 『なんとなんとー!』 美しい姫から! 『美しい姫から!』 ユニコーンとペガサス頂きましたァーーー!」
「「「アッザース‼」」」
「あっ! ブヒエルちゃんが先だよ! ルフランくんがナンバーワンだね!」
「やはりルフラン君、いえ、カリンちゃんは強いわね……」
カリンさん最強説爆誕。
「フッ……あれは俺が育てた」
魔王様がなんか言ってる。
そして「ペガサスだからちょっと席に着いてやるか」とはみゅエルさんの席へ向かった。
そういえば前に魔王様が言ってたな、高額を入れたら「俺が出る」って。
そして魔王様はコールが始まったフロアをゆっくりと歩き、はみゅエルさんの席の端に座った。
お客様は全員、魔王様が出て来たことにビックリして魔王様を目で追っていた。
フッ……人族よ、魔王様のご尊顔を拝めるだけでも有難く思うがよい!
「あっ! 代表ぉ〜♡ ぺがしゃす入れたにょぉ〜♡」
「おう! 流石だな、お前らの勝ちだ! ははは!」
「みゅみゅっ☆」
はみゅエルさんの勝ち? それならカリンさんが先のはずだけど……。
「「「ナイト! 全員! 集まったーところで! 『トゥナイ!』 飲めやー騒げや今宵の宴は! 『宴は!』 王子と姫の独壇場! 『独壇場!』 今すぐ君にー会えるなら! 『ッエイ!』 騒ぎ出す! 胸騒ぎ! 『ハイハイハーイ! ハイハイハーイ!』 踊れー騒げー最高の夜に! 『ハイハイハイ!』 ユニコーン! 『ユニコーン!』 ペガサス! 『ペガサス! いただっきゃす!』」」」
「あれー? ニーナ、ルルさん、1本ずつしか入ってなくない?」
「……本当だわ。どういう事? ペガサスはアレン君とネフィス君どちらに入ったのかしら?」
あ、ホントだ、ナイトさんが頭上に掲げてるユニコーンとペガサスは1本ずつしかない。シュリエルさんがネフィスさん被りのキキさんに対抗してる感じだから、シュリエルさんがペガサスかな?
「「「それでは! 『それでは!』 素敵な! 『素敵な!』 姫から! 『姫から!』 一言! 『一言!』 頂きまっしょい! 『オーイ!』」」」
「ユニコーンより高いおしゃけ入れたにょ~♡ モエリとかクリハーとかぁ、眼中ににゃぁい♡」
シュリエルさんはちゃんと魔王様の言いつけ通り暴言を吐かずにはみゅはみゅった。
でもカリンさんの2段階進化を知らないから勝ったと思っちゃってる……。ねぇ、これって魔王様のせいじゃない? ひえぇ……この後が怖いようっ! 魔王様余計な事を……っ!
「「「…………アーリガッザーイ! 『アリガッザイ!』 それでは! 『それでは!』 姫様! 『姫様!』 ありがとうございます! 『ありがとうございます!』 うーソレソレ! 『ワンツーいやほい!』 ナンバーワン! 『ナンバーワン!』 王子が! 『王子が!』 目指すは! 『目指すは!』 ナンバーワン! 『ナンバーワン!』 ディメンション全員パーリーピーポー! 『今夜もフロアはお酒の戦場!』 酒をー浴びるぜ! 『ごっつぁんです!』」」」
あれ? ミュリエルさんの一言が無かった。この後もう1回ミュリエルさんのコールがあるのかな? でもそれならアレンさんのナンバー順的に先にやるはず。
……もしかして……ミュリエルさんは何も入れてない……? アレンさんのラストオーダーはもうとっくに終わってる⁉ まさかのナンバー落ち⁉
いや待って……アレンさんは「ユニコーンとペガサスありがとう」って言ってた。
……ねぇえ‼ どういう事⁉ 魔王様めっ!
「って事はー……カリンちゃん300万以上のお酒入れるのかな⁉ タワーかな⁉ もしかして……ユニコーンデコの500万⁉ キャー!」
「凄い……凄いわ!」
アーニャとルルさんは興奮してアレンさんの事を忘れてる。
そして私は知っている……。カリンさんに残っているのはペガサスだけだ。それなら金額的にカリンさんのコールが先なはず。あ、でもルフランさんがナンバーワンだから最後にしたとか?
もう訳が分からないから現時点での売り上げを計算してみよう!
コーディさんの姿を探したら、ちょうど壁に張り出されてる売上表に記入してる、見せてもらおう。
私がコーディさんの隣に並ぶと、「まだアンナさんの分までしか書きませんよ、フフフ……」と言われた。
……コーディさんって、財務部なだけあって計算高い。
もうラストオーダーは全て把握しているのにあえて書かないなんて……傍観者の私達にまで演出をっ!
〈ラストオーダー演出〉スキルが魔王様レベルだよぅ! 気になるからいじわるしないで教えてようっ!
ともかく売上表を見てみる。
ミアさん562万4千、ルフランさん493万4千、ネフィスさん335万、セシルさん334万3千、ヴァンさん258万9千、アレンさん208万8千……。
ルフランさんに260万、ネフィスさんに390万足してみる……とりあえずルフランさんのナンバーワンは決まったな。アレンさんにミュリエルさんからユニコーンとペガサスが入ってもルフランさんが150万以上差をつけて1位だ。
でもそうするとヴァンさんはちんちん魔法使いの正式任命を免れちゃうのか。残念だけどヴァンさんは夢を見続けられる、うん、これでいいのだ。
あとは……アッシュさんが8位になってる……113万2千。という事は……やっぱりバレットさん9位、108万……。
バレットさんが10位に40万ほど差をつけてる……。魔王様は売上額を理由に、誰にも文句を言わせずバレットさんを看板に描かせるんだろうなぁ。
よし、大体の結果を知って心の準備は出来た。カリンさん、酔っ払って姫の一言で変な事言わないといいな……。
……? 次のコールが中々始まらないので、カーテンの隙間から店内を覗き込んでいるアーニャとルルさんの方へ振り返ってみた。
あれ? アーニャが静かだ、珍しい。でもお尻はフリフリ揺れている。とりあえず私もカーテンの隙間から顔を出す。
……えっ? ……な、何で……? そんなの……そんなの……予定に無かったはず……ッ!
真面目なニーナはお客さんの事をちゃんと「お客様」って言うのに、魔王様が絡むと魔族らしく「人族」って言うw かわゆ。




