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【完結】自力で異世界へ!~優しい仲間と一緒に異世界生活を満喫します~  作者: 西の果ての ぺろ。@二作品書籍化


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97話 洞窟の正体

重傷だった冒険者は大きな傷は塞がったが、骨折してたのですぐCランクチームが即席の担架を作るとそれで護衛しながら他のDチームメンバーと一緒に運んでいく事になった。


ボブは一人残った。

道案内する為だ。


ボブ達急造Dランクチームは、当初オーク討伐は順調に進め、その数は10体を超えていた。

流石にこの数にボブ達も近くに集落があるのではないかと想像し、討伐ノルマは達成してたので周辺の探索に変更したそうだ。


その結果、洞窟を発見、そこからオークが出てきていた。

慎重に『索敵』で、人影が無いのを確認、安心して中に入ってみたら、いないどころか沢山いた、そして、不意打ちを食らい1人が負傷した。


それを守りながら撤退したが逃げるにも負傷者がいるので断念、斜面の上に土魔法で避難して、救援を求めたそうだ。



ボブの説明通りなら、『索敵』を阻害する洞窟という事になる。


B-チームがいるので、今の内に確認した方が良いだろうという事でボブを道案内に残りのチームで向かう事にした。




その洞窟はずっとそこにあったというより、ここ最近”現れた”かのような不自然さを感じるものだった。

年季を全く感じないのだ。

なので一行は、その存在に不気味さを感じるのだった。


気を取り直して、B-チームの盗賊職の男が『索敵』を使用してみると、やはり、何も引っ掛からない様だ。


だが、タウロの『気配察知』には、オークの気配を2体感じた。

ただし、『気配察知』にリンクしているはずの『真眼』にはオークのシルエットが映らない。


「オークが2体、下から上がってきます。」


タウロが言うと、


「何?」


盗賊職の男が信じられないという顔をしたが、実際にオークが洞窟から現れた。


オークはすぐに全員で倒したが、この洞窟が外部から干渉出来ない作りになっている可能性にいきついた。


「中に入って確認しないと、何とも言えないな。」


B-チームのリーダーが提案したので、入る事になった。


ボブ達が入ったとき、不自然に途中からちゃんとした階段があり、舗装されたうっすらと光る床と壁があったそうだ。


「そんなまさか…。」


D-チームのリーダーが聞いて疑ったが、洞窟を進んでいくと本当にしっかりした作りの階段が現れた。


階段を下りていくとボブの説明通り舗装されたうっすらと光る床と壁がある空間があった。


「…これは、俺も初めて見るが、ダンジョンかもしれない。」


B-チームのリーダーが呆気にとられながら口にした。


「少し、周囲を見て回ってみよう。」


その提案に一行は頷くと見て回ってみた。


思ってたより狭い、下に降りる階段らしいものもなかった。


ひとつ疑わしい、というか全員気づいて近づかないで様子を見ていたが、奥に台座があってそこに水晶の様なひし形の石が浮いていた。


「…これはもしかしたら、ダンジョンの核なのかもしれないわ。」


エアリスが仮説を立てた。


「核?」


タウロがエアリスに聞き返した。

みんなも、エアリスに視線を向ける。


「ダンジョンは、日々成長し続けてると言われてるの。この国に昔からあるダンジョンも日々成長していてどこかに『核』が存在しているのでは?という説があるわ。」


「…それが、あれ?」


「多分。このダンジョンは出来てから日が経ってないんだと思う。出来立てほやほやのダンジョン。だから、部屋も狭いし、階層もここしかないの。」


エアリスが仮説を説明してると、『核』の側の地面が盛り上がり始めた。


「なんだ…!?」


全員が警戒しているとそれは人の形を取り始め、最終的にオークの形になっていく。


「やばい、オークが湧きやがった!」


全員、慌ててオークが動き出す前に止めを刺した。


「魔物が湧く時点で噂に聞くダンジョン決定だな。そこの期待の新人の言う通りなら、これは世紀の大発見だ。だが、近くの山村の事を考えると、これは壊した方が良いと思う。」


B-チームのリーダーが剣で『核』を指し示しながら提案した。


「…確かに、これを放置するのは村人の危険を放置する事と同義ですね。冒険者としてそれを見逃す事はできません。」


タウロが頷く。


エアリスが反対すると思ったが、タウロの意見に同調した。


「ダンジョンは壊せるなら壊した方が良いと思う。」


エアリスは言い切った。


そして、全員一致で『核』は壊す事になったのだった。

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